「勝手サイトのトラフィックを増やしたい」──WAP2.0に賭けるKDDIKDDIは12月に投入する新端末からWAP2.0のブラウザを搭載する。従来のEZwebのコンテンツだけでなく,iモード向けの一般サイトも閲覧できるこの端末で,KDDIはコンテンツ数の大幅拡大を狙う。
各携帯キャリアごとに分かれて製作されてきたコンテンツが1つに統一されようとしている。EZwebとiモード,両者を統一するのは“WAP2.0”。KDDIのEZwebが採用しているWAP1.xの後継規格に当たり,NTTドコモのiモードの仕様が大幅に取り入れられている(8月2日の記事参照)。 WAP2.0では,記述言語にHTMLベースのXHTML Basic(用語)を使い,プロトコルもインターネット標準に近いものへ変更された。 KDDIは12月から発売する新シリーズで全面的にWAP2.0を採用(10月2日の記事参照),ドコモも将来的にWAP2.0への移行を表明している。 世界に先駆けてWAP2.0を採用するKDDIは,どのような意図と狙いを持っているのだろうか。
勝手サイトがどんどん増えるiモード現在のEZwebはWAP1.xという規格に従い,記述言語にはHDML,WML(用語)というものが使われている。Ericsson,Nokia,Motorolaといった世界の携帯トッププレーヤーが設立したWAP Forumで策定された世界標準であり,無線通信に特化した効率化も図られている。 にも関わらず,コンテンツの数・利用状況ではiモードに大きく水を開けられているのが現状だ。au商品企画部モバイルインターネットビジネス部サービス企画グループリーダーの保戸田英二氏は,iモードとの戦いを評して「一番大きかったのは(記述)言語のところ」だと語る。 iモードはインターネットで使われるHTMLをベースにしたcHTMLという記述言語を使っている。「(iモードは記述が容易な)HTML型なので勝手サイトがどんどん増えている」(保戸田氏) 対するEZwebでは言語体系がHTMLと大きく異なるため,サイトの作成が困難だ。「(サイトの)オーサリングツールも作って(EZwebの勝手サイトを)広げようとしたが,一から学ぶのには抵抗感があったようだ」(保戸田氏) 「iモードは勝手サイトで(コンテンツの幅が)広がる。我々は(勝手サイトがあまり)なかった」と保戸田氏。HTML言語に近いXHTML Basicを使うWAP2.0によって「勝手サイトが増えていく環境を提供していく」(保戸田氏)のが狙いの1つだ。 ほぼすべてのコンテンツを閲覧できるWAP2.0ブラウザKDDIが新シリーズで採用するのはオープンウェーブシステムズ製のWAP2.0ブラウザだ(9月27日の記事参照)。この「Openwave Mobile Browser」は,XHTML Basicだけでなく数多くの記述言語に対応している。
画像フォーマットに関しても,従来のPNG,BMPに加え,GIF,JPEGにも対応する。「(iモード向けの)cHTMLのサイトもほぼ100%表示できる」(保戸田氏) ただし従来のHDML,WMLに関しては,必要に応じてゲートウェイサーバでXHTML Basicに変換するのだという。
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