スケジュール帳を置き換える「SH252i」
NTTドコモの「252iシリーズ」は、ダウンロード速度が505iシリーズと同等に高速化されながら、低価格で軽量なボディを誇る新シリーズだ。その中で、シャープの「SH252i」には、“スケジュール機能”という際だった特色がある。
じつはみんな使いたい、携帯のスケジュール機能
スケジュール機能とは地味な機能と思われがちだ。携帯でスケジュール管理をしているケースは比較的少ない。しかしその理由は、必要がないから、ではなく、“使いたいが使い勝手が悪いから”であることが、これまでの調査で分かってきた。多くのユーザーは、ひっそりとではあるが、“使い勝手が向上すること”を待望しているのである。
では、これまでのスケジュール機能のどこが使いにくかったのか。どこを改善すれば使うようになるのか。シャープの回答の一つは、「入力を簡単にすること」だった。
メニューからスケジュール機能を起動して、新規作成を選択。日付と時間を入力して内容を記入する……。これが、今までのスケジュール入力法だ。手順を書き出すまでもなく、あまりに面倒。
SH252iでは、こうなる。待ち受け画面から、日付を4桁で入力。決定ボタンを押せば、その日付でスケジュールが起動する。あとは[新規]ボタンを押して内容を書き込むだけだ。待ち受け画面が、最初からスケジュールの日付入力画面になっている──そう考えると近い。
数字を入力すると、決定ボタンがカレンダーのマークに。数字二桁ならば同月、数字四桁ならば同年の指定となる。思い立ったらすぐにスケジュールを入力できる |
当日の予定ならば、待ち受け画面から4桁の数字(時+分)を入力して、サブメニューから「クイックアラーム設定」を選ぶ。アラーム付きの予定が、これだけで登録される |
時間の入っているものは、すべてスケジュールに〜絵日記も簡単
スケジュール登録をとにかく簡単に──。SH252iには、この考え方が徹底している。数々の機能の中で、時間が入っているデータは、すべて簡単にスケジュール登録できるようにしてしまおうというのだ。
例えば、写真だ。撮影した画像のサブメニューを開くと「スケジュール作成」という項目があるのに気づく。これを選ぶだけで画像付きのスケジュールが作成できてしまう。日付は、撮影日が自動的に入る。──そう、これで絵日記も簡単にできてしまう。
メールもそうだ。大概の予定はメールでやってくる。SH252iなら、メールの内容をそのまま簡単にスケジュールに登録できる。受信メールのサブメニューから「スケジュール作成」を選ぶ。すると、メール受信の日付で、内容はメール内容、連絡先は相手の電話番号、画像は相手の顔写真が登録される(それぞれアドレス帳から自動的に引用される)。
同様に、メモ帳や発信履歴、着信履歴からもスケジュールが作成できる。ありとあらゆるデータを簡単にスケジュールに登録。この点に限っていえば、SH252iはPDAのスケジュール機能を超えたといってもいい。
SH252iのスケジュールは当然画像付きである。つまり撮影した画像をスケジュールに登録していけば、それだけで絵日記が完成する |
「予定はメールでやってくる」。メールの内容をわざわざコピーしたりする必要なく、簡単にスケジュールに登録できる。画像や連絡先は、アドレス帳に登録されているメール送信元のデータが自動的に入る |
発着信履歴やメモ帳からもスケジュールが作成可能。また、発着信履歴からアドレス帳を参照してメールを作成することもできる。メモ帳のデータは、スケジュールだけでなくToDoに登録したり、メールとして送信することもできる |
最も簡便なスケジュール登録機能が「アイコン入力」。カレンダー表示を「1ケ月アイコン表示」に設定していると、新規作成から日時や内容などを細々と入力しなくても、「アイコン」から分類を選ぶだけで予定が入力できる。スケジュールの内容はアイコンとして表示されるため、人に見られてもシークレット効果もある |
待ち受け画面から簡単に〜充実の検索機能
入力ができたら、今度は検索だ。スケジュールは入力されていなくては使いようがないし、入れた予定を見つけやすくなくては入れる意味がない。検索でもSH252iは徹底的に凝っている。
「今月、30日の予定は何だっけ?」と思ったとする。検索するには、待ち受け画面から「30」と入力して決定ボタンを押すだけでいい。カレンダーが表示され、30日の予定が表示される。
待ち受け画面から「30」と押して決定ボタン。それだけで30日の予定がチェックできる。11月20日の予定だったら、「1120」と4ケタで入れればいい |
カレンダーを確認するだけなら、待ち受け画面から[電源]ボタンを押すだけで、カレンダーが壁紙に重なって表示される。待ち受け状態でカレンダーを出すと、十字キーの上下で翌月、前月に移動できる。この待ち受け画面のカレンダーは、1カ月表示だけでなく、2カ月表示、そしてなんと6カ月表示が可能だ。QVGA液晶ならではの6カ月表示は、実に壮観だ |
待ち受け画面から数字を打って……は、スケジュールに使うだけではない。例えば、数字を打って左ソフトキーの「電卓」を押せば、そのまま計算機に。2桁の数字ならば、サブメニューから「タイマー開始」を選ぶことで、簡易キッチンタイマーにも早変わりする |
友人ひとりひとりの“専用スケジュール帳”“専用日記帳”に
携帯ならではのスケジュール機能として、“人に注目”しているのがSH252iの特徴だ。メールや着信履歴を使ってスケジュールを登録すると、“誰と”関係した予定かが簡単に登録できる。そして、検索時は“誰と関係した予定か”で絞り込むことができる。
スケジュール機能は、未来の予定を書き込んでおくだけでなく過去の出来事を記録しておく日記帳としても便利だ。そしてSH252iならば、特定の友人の“専用スケジュール帳”として使うことが簡単にできるのである。
そして友達から来たメールをそのまま予定として登録したり、着信時にスケジュール登録して内容を記載しておくことで、“その相手専用”の日記帳ができあがる。携帯は人と人とのコミュニケーションの道具。その“人”に着目したスケジュール機能は、まさに携帯ならではといえる。
スケジュール画面から「連絡先別表示」を選べば、その“人”に関係した予定が抜き出される。「あの人との思いで」をまとめておくのも簡単だ |
液晶とカメラに自信があるからこその機能
ここまで特にSH252iのハードウェアに触れずにきたが、もちろんハードウェアが今ひとつだからではない。マクロ機能付き31万画素CCDカメラや、CGシリコン液晶を使ったQVGAディスプレイは業界最高峰。しかし、敢えてここではハードウェアよりもソフトウェアの進化を取り上げた。
カメラの画素数をアップさせたり高精細な液晶を積んだことのアピール度は確かに高い。そんな中でSH252iがソフトウェアに凝ったことは、シャープが“もっと使いやすい携帯”を強く意識していることを意味する。もちろんハードウェアへの絶対の自信があってのことだ。
SH252iのソフトウェアのベースとなっているのは、使いやすさに定評のある「SH505i」。新世代のソフトウェアをベースに、スケジュール機能の追加など数多くの改良が加えられている。ハードウェアとソフトウェアが高いレベルでバランスした携帯、SH252iはそんな端末だ。