もう1段階進化した「SH252i」のカメラ機能携帯電話の必須機能となったカメラ。メガピクセル──といった画素数の向上ばかりに目が奪われるが、「どのように楽しく写真を撮るか」「撮った写真をどう活用できるか」、そこまで深く考えた端末は多くはない。252iシリーズというエントリーモデルでありながら、ハイエンド機を凌ぐカメラ関連機能を備えたのが「SH252i」だ。携帯の画像編集機能はここまできた「スピーディラボ」と名付けられたSH252iの画像編集機能は、「これが本当に携帯のソフトなの?」と思わずにいられない。
元画像と見比べながら、「シャープネス」「感度アップ」「鮮やか」といった画像補正処理や、「セピア」「油絵」といった画像エフェクト、スタンプなどを使って画像を加工できる。常に元画像が表示されているため変化具合を随時チェックできるほか、行った処理をキャンセルすることも簡単だ。 通常、エフェクトかけて保存、画像補正をかけて保存……といった処理を繰り返すと、保存に伴ってJPEGノイズによる劣化が生まれる。しかしSH252iでは複数の処理をプレビュー表示で確認してから、まとめて処理・保存を行うため、美しい処理が行える。 こんな分かりやすいインタフェースを実現できた理由の一つは、SH252iが採用したQVGA対応のシステム液晶にある。2.2型の最新液晶は、実はハイエンド端末よりも高精細。そして明るさや鮮やかさでは、従来のハイエンド機も凌ぐ。高精細で美しい液晶を使うことで、二つの画像を表示させても効果がはっきりと分かるのである。
「携帯で画像編集なんて使わない──」。そう思っている人もいるかもしれない。しかし、それはこれまでの画像編集機能が使いにくかったからだ、ということがSH252iに触れば実感できる。考え抜かれた編集機能の搭載は、携帯が普通のカメラの代わりになっていく中で、一つの方向性を提示しているのだとも考えられる。 本当に実用的な“連写”の使い方を提案最近のカメラ付き携帯には、当たり前のように連写機能が付いているが、「どう使っていいか分からない」と感じていた人も多いかもしれない。 単に連写ができるだけでなく、どんなときに連写を使えばいいのかを、SH252iははっきりと提示している。ポイントは、 大切な1枚を撮ったとき、瞬きをされてしまった、ぶれてしまった、そういった経験がないだろうか。ちょっと写真に詳しい人なら、明るさ調整機能を駆使してきれいな写真を撮ろうと設定に悩んだこともあるかもしれない。SH252iならば、連写機能がこれらを解決してくれる。 さまざまな連写機能の中で、まず「ブラケット連写」が面白い。これは一度のシャッターで明るさを変えながら9枚連続で撮影する機能だ。一眼レフカメラなどにはこうしたオートブラケット機能が付いており、プロカメラマンの撮影でも露出をずらして複数枚撮影するのは常識。携帯のカメラでも、ついにこんなブラケット連写が可能になったのである。 ちなみに、ブラケット連写では明るさ以外に、ライトの色も次々と変更しながら連写を行う。7色が自在に出せるピクチャーライトならではの機能だ。 もう一つ、アイデア次第で活用が楽しめるのが「オーバーラップ連写」。5枚の連写画像を合成して1枚にする機能だ。ゴルフやテニスのフォームを撮影すれば、身体は同じ位置で腕や足の動きがはっきりと分かる。手が何本もあるような面白写真を作るのも簡単だ。
SH252iでは、iショット(S)で最大18連写が可能。待ち受け画面サイズでは9連写、iショット(L)でも6連写が行える。動きの速い被写体を捉えるのにも、連写は最適。単に機能を載せたのではなく、利用法も提案することで本当に使える機能に仕上げている。 シャッターチャンスを逃さない操作性カメラが多機能化するなかで、操作性の進化は必須だ。せっかくの機能もサブメニューの奥深くに埋もれていれば、結局使わずじまいになってしまう。また、簡単に撮影サイズを切り替えたり、画質を優先するのかファイルサイズを優先するのかを切り替えられれば、シャッターチャンスを逃すこともない。 SH252iは、これまでに例がないほどワンボタンでカメラ設定を切り替えられるようになっている。セルフタイマーもボタン一つ、ピクチャーライトの色もボタン一つで変更可能だ。
SH252iのカメラは、マクロ機能付きの31万画素CCDだ。画素数こそハイエンド機にはおよばないが、携帯の画面で見た場合は画質に遜色はない。それどころか機能面では凌ぐ部分も数多い。 SH505iから引き継がれた、自動サイズ変更機能ももちろん健在。どんな画像サイズで撮影しても、iショット送信時にiショット(S)やiショット(L)に簡単にサイズ変更して送信できる。また、画像編集メニューからサイズ変更する場合、単純に画像縮小するだけでなく、位置指定してズームをすることで、画像劣化も少なく好きな部分だけをメール送信できる。 ドコモが推進しているQRコード読み取りもそうだ。雑誌や名刺などに印刷されたQRコードを読み取って、電話帳に登録したり、Webにアクセスすることが簡単にできる。外部メモリカードをは備えないが、シャープが無償提供している「データリンクソフト」を使えば、撮影した画像をPCに取り込むことも可能だ。 カメラに焦点を当てて見てきたが、最後に一つ。径18ミリという大型スピーカーの奏でる音は圧倒的だ。クリアな高音と豊かな重低音は、着メロスピーカーの常識を越える。252iシリーズでは、着メロ容量が従来の倍、20Kバイトに増加しており、より着メロを楽しめる環境が整っている。見落としがちだが、一度は必ず聞いてみることをお勧めする。 |