その5〜メールを書きながらスケジュール確認。アシスタントビュー

 ダイヤルボタンの下に設けられた見慣れないボタン、それが「View」ボタンだ。カメラ撮影時や画像表示時に押せば全画面表示に。大きな液晶を目一杯活用できる。

 メールやiモード中、通話中に押せば、アシスタントビュー機能がポップアップする。これは、今やっている行為を中断させることなく、メールや電話帳、スケジュールなどを確認できるもの。

 メールを書いている時に、ちょっとメモやスケジュールを確認したり、電話中にちょっと電卓で計算をしたり……。

 別の作業をしながら、ほかのソフトを立ち上げられる──PCのようなマルチタスクが、一部機能ではあるが実現されているのである。


メールを書いていて、「そういえば来週日曜日の予定は……」と気になった。[View]ボタンを押して、アシスタントビューウィンドウを表示。カレンダーを確認して、もう一度[View]ボタンを押せばメールに戻る

その6〜ついにアドレス帳がインクリメンタルサーチ可能に

 「SH505i」のアドレス帳は、あ、か、さ、た、な……と一覧表示するタイプの中では、究極とも言えるものに仕上がっている。

 左右キーで行を変更、上下で人を選択できるのは従来と同様。「電話帳ボタン」と「メールボタン」でページ送りできるようになったのは、うれしい改善だ。

 なによりすごいのは、インクリメンタルサーチに対応したことだ。一覧表示画面で文字を入力していけば、近い読みの人に次々とジャンプしていくのだ。

 つまり、アドレス帳の一覧画面を表示させた状態で、「に」と入力すれば、「に」のヨミガナの人を先頭に一覧表示。続けて「し」と入力して「にし」とすれば、「西田」「西尾」「錦織」といった人が先頭に登場する。さらに「にしき」と打って「錦織」を先頭に出すこともできる。

 もう「ヨミガナを入力してください」といった一覧性の低い検索と比べると天と地の差である。


普通に十字キーで探していってもいいし、「ナ」と入力すればナ行の頭に、続いて文字を入力すればどんどん候補が絞り込まれる

その7〜モードレスの文字変換「ケータイShoin2」

 着実に進化を重ねた日本語入力システムも、相当強力なものに仕上がっている。一言で言うなら、「モードレス」な文字入力システムだ。

 携帯の文字入力時は、数字やアルファベット、カタカナを入力するのに「文字モード」を変えるのが基本。また、「T9」などの特殊な入力方式は慣れると便利だが、通常のマルチタップ入力と併用できずモードを切り替える必要がある。

 「SH505i」では、これらすべてを通常の「漢字」モードのまま入力できるのだ。

 数字、アルファベット、カタカナについては、普通に入力して右上の「カナ英数」ボタンを押せばいい。押したボタンに対応した数字やアルファベット、カタカナが半角・全角共に候補として表示され、選択できる。


英語のメールを書くのでもない限り、SH505iでは「英字モード」に変更する必要は感じない。「かな」モードのまま英数字が入力できる

 T9のような方式の入力──「おはよう」と入力するのに「あはやあ」と打つだけで済む方式──をするには、同じモードのまま十字キーの上を押すだけだ。

 予測変換も凝っている。1文字入力すれば、自動的に予測される候補を画面下部に表示。2文字目、3文字目と打っていけば候補も合わせて絞り込まれる。下ボタンを押すだけで予測候補の中から選択できる。

 特に1文字、の予測については「推測頭出し変換」機能が搭載されている。「ま」と打って上ボタンを押せば、時間帯に応じて予測される候補を推測。朝なら「満員電車」、昼なら「真昼間」、夕方なら「毎晩」などの候補が表示される。


(左)文字を入力すると予測される候補が自動的に表示される。(中)文字を入力しなくても前後のつながりから判断して候補が現れる。(右)「か」と入力して上ボタンを押したところ。「か行」で頻度の高い文章が候補として表示される

 絵文字や記号もモードを変える必要はない。左上の「絵・記号」を押せば、絵文字や記号の一覧を表示。十字キーで選択して決定すればいい。さらにダウンロード辞書まで用意され、「ビジネス辞書」「ブランド辞書」などの追加が可能だ。


絵文字一覧表示時もページ送りが可能。最上段にはこれまで入力した絵文字や記号の履歴が保存され、頻繁に使う文字は簡単に入れられるという工夫までされている

ハードとソフトの絶妙なチューニング

 スペック表だけ見ていると、「SH505i」の数字がダントツ……とは残念ながら言えない。ソフトウェアの機能を○×で付けても、「SH505i」には飛び抜けて奇抜な機能が搭載されているわけではない。デザインもオーソドックスな折りたたみ型のため、やもすれば手に取らずに過ぎ去ってしまう可能性もある。

 しかし実際に使うと、各パーツには表面的な数字に表れにくい高性能なものが使われていること、ソフトウェアには大改修が施され、ハードウェアの性能を目一杯使いこなせるものになっていることが分かる。

 端末選びで迷っているなら、必ず「SH505i」の実機に触れてみることをお勧めする。液晶を見て叫喚し、カメラ画質でさらに驚く。そしてソフトウェアの使いやすさで3度驚く。

 特に内蔵ソフトの使い勝手は、購入後の満足感を大きく左右する。「SH505i」は、「次に買うのもまたSHにしたい」──必ずやそう思わせる端末に仕上がっている。