KDDI Javaの「一つのゴール」〜Phase3とは何か(2/2 ページ)
KDDIのJava仕様が密かに「Phase3」にバージョンアップしている。同社Javaの最後を飾るPhase3は、仕様を大幅に強化、パケット定額制の「1X WIN」端末にも採用された。BREWに取って代わられようとしているKDDI Javaの、強化点と可能性を探る。
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1X WINで“定額IP電話は果たして可能か?”
パケット定額制の1X WIN端末では、当然Javaを使ったアプリからのデータ通信も定額だ。では、JavaでVoIPの仕組みを作れば、平均600Kbpsというスピードを生かして、“定額制IP電話”も可能ではないか?
しかしテストアプリで試してみた限りでは、これは少々難しいようだ。「パケットセイバー」などのアプリケーション開発者として知られるウニラボの福野泰介氏は次のようにコメントした。「WIN端末上でJavaによるテストプログラムで連続した通信を試みると、9回目以降通信せずにエラーとなります。しかし、最初の通信開始後1分経過すると、再び通信が可能となります。この結果より、WIN端末ではHTTP通信が1分間に8回までと制限されているものと思われます」
KDDIはこの件について、「他のユーザーの迷惑にならない程度に、緩やかに制限をかけている」(林氏)とコメントしている。
実際には、さらにマイクの制御が必要になるが、KDDIのJava仕様にはマイクから音声を取り込むAPIは用意されていない。
Phase3の仕様書は1月31日0時公開
なおKDDIはPhase3の仕様書を、31日の0時にWebページに公開する予定(au技術情報)。また、2月中旬にはエミュレータも提供する。
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今後は「BREWのほうにシフトしていく」
他社の仕様も盛り込み、「JavaはPhase3で1つのゴールに達した」と林氏が話す、KDDIのJava。しかし、KDDIの方針は「BREWのほうにシフトしていく」というものだ。
Javaの仕様強化はPhase3で終了。今後は、徐々にBREW端末の比率を増やしながら、Javaはフェードアウトしていくことになる。
とはいえ、消えゆくJavaを惜しむ声も多い。現在BREWは公式コンテンツプロバイダにしか公開されておらず、一般の開発者には門戸を閉ざしているからだ。企業などがau端末を利用したアプリを提供しようとしても、KDDIの許可を得なくてはならないという壁もある。
例えBREW端末であっても別途Javaを搭載することもできるはず──。これは技術的には可能だが、コスト面から難しいと林氏。考えられるのはBREWのアプリケーションとしてJava VMを動かし、その上でJavaアプリケーションを走らせることだが、これにはパフォーマンスも問題となる。
KDDIはJava対応端末の台数を公表していないが、GPS対応端末のほとんどがJavaに対応していることを考えると、700万台近くのJava端末が出回っていることになる。仕様も向上し、ゲームも増えてきたKDDIのJava Phase3。BREW1本でいくという決断をするならば、Javaの果たしてきた役割を再考した上で、オープン化などの施策も必要になってくるのではないだろうか。
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