“架け橋”としての「506i」
ドコモのハイエンド端末といえば「50x」。しかし今回の506iは少々違う。統一機能の面では505iから進化はなく、端末個別のブラッシュアップがメインだ。そして、“初夏”には、FeliCa搭載の「506iC」「900iC」も控えている。ドコモは506iを「25xから900iへステップアップしていくための端末」と位置づけている。
ドコモは4月27日、506iシリーズを発表した。三菱電機製の「D506i」、富士通製の「F506i」、NEC製の「N506i」の3機種。D506iとF506iが5月下旬以降、N506iが6月上旬以降の発売になる見込みだ。
25xから900iへステップアップする架け橋
506iは、シリーズとしての機能強化は特にない。505iシリーズの基本機能をそのままに、カメラや構造などを強化した端末群となる。505i“S”がSecond(2nd)なら、506iはThird(3rd)とでも呼べるようなシリーズだ。
微妙なのがドコモのラインアップ内での506iの位置づけ。これまで、ハイエンドの50x/ローエンドの2xxという2ラインアップで端末を展開してきたドコモだが、FOMAの登場でこのところ混乱している。
iモード企画部のサービス戦略マーケティング担当主査増田智子氏は、「FOMA 900iシリーズがフラッグシップ端末なのは変わらない。25xから900iへステップアップしていくための端末だ」と506iを位置づけた。
従来25xを使っているユーザーをターゲットとするため、端末カラーなども多分に女性を意識したものになっている。新機能は900iに搭載。25xシリーズを使っているエントリーユーザーは、506iを通じて徐々にFOMAに誘導する……。そんな目算だ。
エントリーユーザーの移行を促す目的を持つだけに、506iは価格も安価になりそうだ。「ハイエンド機能を載せていないため、端末の自由度も高まっている。新規開発をするわけでもないので、(開発に)大きなリソースを割かれることもない」(増田氏)。
506iシリーズには、PDCの集大成的な意味合いもあるだろう。新規のサービス開発はFOMAで……という方針は変わりないが、全員にFOMAへの移行を強いるのではなく、PDCもしばらくは引き続き提供するという意思表示でもある。
「(FOMAよりも)PDCのほうがいいと思っているユーザーニーズに応えるための商品。要望に真摯に耳を傾ければ、ドコモの都合で『900iしかない』というわけにはいかない」(増田氏)
506i“C”は、506iの後
6月にかけて506iを投入するドコモだが、その直後には非接触ICチップ──FeliCaを内蔵した端末群が登場を予定している(4月15日の記事参照)。「506iC」「900iC」と呼ばれるシリーズだ。
「順番としては506iが出てから」と増田氏は話し、6月から7月にかけての投入を示唆した。ドコモの端末納入メーカーは6つあるが、506iを出すメーカーと506iCを出すメーカーに分かれたようだ。
ドコモの開発の中心が確実にFOMAに移行したこと。それを象徴するのが506iだ。増田氏は507iの可能性を否定しなかったが、もしも登場するとしてもハイエンド端末としてではなくエントリーモデルという位置づけになるだろう。
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