iモードFeliCaで、サイフのカードは何枚減るか?
iモードFeliCaにまず期待したいのはサイフに詰まったカードが1枚でも少なくなること。これを機に、持ち歩いているカード類を数えてみたら実に48枚。iモードFeliCaはサイフをどこまで軽くしてくれるのだろうか。
サイフの中に貯まった、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード、マイレージカード、定期券に会員証……。「顧客ロイヤリティの向上」といえば聞こえはいいが、ユーザーのサイフは着実に重くなっている。
カードの枚数を減らしてサイフをダイエットする方法はないものか。最初に考えたのは、複数の機能が1枚にまとまった「ジョイントカード」を使うことだ。
郵便貯金とJALのマイレージカードが1つになったJMB郵貯カード、Edy機能も付いたANAマイレージクラブ、ツタヤの会員証とJCBのクレジットが1つになったTSUTAYA Wカード──。これらは便利なのだが、申し込みがけっこう面倒なのとクレジットカードがやたら増えてしまうのが玉に瑕。
そんな中、ドコモが画期的なサービスを始める。506iC/900iCという新型携帯電話で使えるiモードFeliCaサービスでは、各種カード機能を携帯の中に入れられるという(6月16日の記事参照)。たくさんあってかさばったカードが、携帯1つで済んでしまうのかもしれないのだ。
まずは48枚が3枚+α減少
とはいっても、どんなカードでも携帯に入れられるわけではない。サービスの提供元──ANAマイレージクラブなら全日空がiモードFeliCaにサービスを提供する必要がある。
では、持ち歩く必要がなくなるのはどのカードか。iモードFeliCa対応を発表したのは39社。うち、持っているカードがどれだけ減るかを数えてみると……。
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ブックオフ会員証 | × |
病院の診察カード | × |
スポーツクラブ会員証 | × |
クリーニング店会員証 | × |
ツタヤ(レンタルビデオ)会員証 | × |
GEO(レンタルビデオ)会員証 | ○ |
社員証(入館証) | × |
48枚中、まずは3枚のカードは携帯と一体化できるようだ。ビックカメラのポイントカード、マツモトキヨシのポイントカード、GEOの会員証である。少々残念なのは全日空のiモードFeliCaサービスだ。携帯で国際線の搭乗手続きなどが行えるサービスを開始するが、マイレージカードの代わりにはならない。マイルを貯めるにはプラスチックカードを持って行かなくてはならないという。
さて数年後を見据えるとどうか。2005年度後半にJR東日本がモバイルSuicaを導入する(4月13日の記事参照)。携帯がSuicaとして使えるようになるわけだ。これで1枚減。
さらに2006年度から順次、パスネット、バス共通カード、Suicaの相互利用が可能になる予定(東京メトロの発表参照)。これにより、さらに1枚減る。
東京三菱銀行は2005年度には、iモードFeliCaを使って携帯電話をキャッシュカードとして使えるようにする。磁気カードに比べて偽造などへのセキュリティも高い。そして、またカードが1枚減るわけだ。
もちろんすべての会社がiモードFeliCaに対応したからといって、全部を携帯に入れ込むことはできない。FeliCaチップのメモリ容量に制限があるからだ。具体的にいくつのサービスを入れられるのかは、「アプリ次第だが2ケタ程度」(ドコモ)としている。
フリー領域の活用求む
そのほかのカードを見ていくと、ほとんどが会員証とポイントカード。しかも大手企業というよりも「町の○○屋さん」に近い。こうした店舗に期待したいのが、ドコモやフェリカネットワークスへの申し込みなしでiモードFeliCaを利用できる「フリー領域」の活用だ。
市販されているFeliCaリーダと組み合わせれば、ポイントカードや会員証なら簡易にできてしまうといわれている(2月19日の記事参照)。
自社でシステムを構築するのが大変なら、NECやSCN(So-net)が進めているASPサービスを利用するのもいい。NECは携帯電話をポイントサービスや会員証代わりに使える「LightHolder」サービスを提供中(2003年9月9日の記事参照)。現在は赤外線を使って認証を行うが、12月にはiモードFeliCaにも対応させる予定だ。SCNは「m-Point」(仮称)というiモードFeliCaを使った小規模店舗向けポイントサービスの提供を検討している(2003年12月15日の記事参照)。
こうしたサービスが普及してくれば、サイフからカードはさらに減る。さらにセキュリティも間違いなく向上する。唯一の懸念は“携帯をなくしたらどうする?”ということだけだ。とはいえ、カードの詰まったサイフは落としてしまえば終わりだが、携帯電話ならば「F900iC」の遠隔ロック機能のように“無効化”することもできる。
1日も早く、大量のカードを持ち歩く必要がなくなってほしいものだ。
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