3Gデータ通信の料金を比較する:出そろったCFカード型3G端末(4/4 ページ)
屋外でのデータ通信カードとして、各社の3Gが実用的になりつつある。高速なのはもちろん、エリアが拡大し割引きサービスも充実してきた。第1回は、料金面を再チェックしてみる。
料金面でリードのVC701SI、選択肢の広さのP2402
あくまで料金面で見た場合だが、現状で専用プランを準備しているボーダフォンのVC701SIは圧倒的に優位にある。今年に入ってから料金プランを設定したため、競合2社を強く意識したものだろうし、複数回線割引が利用できなくても割高感が出ないようにうまく設定している。
特に「データパックスーパーバリュー」の無料データ通信量244.1Mバイトは圧倒的だ。ただしパケット単価自体は、FOMAやauでパケット割引を最大限にした場合と大きく変わらず、気兼ねなく使い放題というわけにはいかない。料金体系をちょっと勘違いして利用すると、10万円単位の請求が来てもおかしくない点はFOMAやauと変わらない。ただし付属ユーティリティの出来が非常にいいので、料金面でのトラブルを最も防ぎやすいのもVC701SIだろう。
FOMA P2402の場合は運用面の幅の広さが魅力となる。音声端末とカード端末を1契約で使い分けることもできるし、デュアルネットワーク契約を利用すれば音声はPDC、データ通信はFOMAという面白い使い分けもできる。データ通信はそれほどヘビーではない──正確にいえばパケットパック60の無料データ通信量で収まるなら、FOMAやドコモのPDCユーザーには悪くない選択になるはずだ。「2カ月くりこし」も毎月のデータ通信量にムラが多い人には有効だろう。
WINユーザーは、音声端末でのデータ通信も検討
W02Hは、音声通話向けの料金プランでしか契約できない点が料金面では足を引っ張った。auの音声端末を使っているユーザーならば悪くないのだが、ドコモやボーダフォンの音声端末を使っているユーザーが利用するメリットはほとんどない。
ただしWINの音声端末でのデータ通信であれば、12月1日からの割引サービスの改定で(10月6日の記事参照)パケット割WINでも音声端末でのEメール、EZWeb利用でのデータ通信料金は4200円が上限となり、さらにダブル定額でもデータ通信時のパケット料金が割り引かれる。1つの割引サービスで音声端末単独での定額パケット利用(PCサイトビューアー除く)と、PCやPDAでのパケット料金の割引が両立するようになった。音声端末でデータ通信もまかなうユーザーにはWINがお得だろう。
次回は実機を用いてのエリアチェック、スループット計測などを行う予定だ。
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