BREW端末が1000万台突破
BREW対応端末の稼動台数が4月に1000万台を超えた。au端末の約半数に当たる。KDDIは、今後アプリ容量を1.5Mバイトへ拡大していく方針だ。
KDDIが提供するアプリケーション環境「BREW」の対応端末数が4月に入って1000万台を超えた。auユーザーは3月末で約1954万契約を数えるが(4月7日の記事参照)、その半数がBREW対応端末を使っていることになる。
BREWプログラム容量を600Kバイトから1.5Mバイトへ
4月26日に開催された「BREW JAPAN CONFERENCE 2005」で、KDDIのコンテンツ推進部長である竹之内剛氏は、今後のBREW強化策も打ち出した。
当初300Kバイトでスタートし、WIN端末への対応と共に600Kバイトに拡大してきたBREWのプログラム容量(2004年12月9日の記事参照)を、「今回は1.5Mバイトに上げようと思っている」(竹之内氏)。ガイドラインを設け、必要と判断されるアプリに関して上限を拡大する方針だ。
また、今年度はBREWアプリの品質向上に着手する。4月の段階でアプリ数が1000本を超えた。ある程度ボリュームが出てきたこのタイミングで、今度はクオリティに目を向けていく考えだ。
「今後、アプリについて注文をつけさせて頂きたいと思っている。ここで一回、どうすれば質が上がるのか、一から組み立て直そうと思っている」(竹之内氏)
また待ち時間の長さが指摘されて久しいBREWアプリの検証についても、新しい試みを行う。通常の検証ラインに加え、より高速に検証を行う「特急ライン」を用意し、コンテンツプロバイダのニーズに応えていく。こちらは有償となる予定だ。
コンテンツのポイントは「音」「連携」「シナリオ」
KDDIのコンテンツ戦略のキーワードも明かされた。
1つ目は「音」だ。「BREW3.1からは音を拾えるようになっている」と竹之内氏。単なる着メロ、着うたではなく、音と連携したコンテンツに力を入れていく。
2つ目は「連携」だ。これまでも、FMラジオからCDの物販、着うたからCDの物販、電子書籍から書籍の販売(4月19日の記事参照)と、メディア連携の試みを続けてきたが、今後さらにコンテンツからメディアや物販への誘導を積極化する。
3つ目は「シナリオ」である。「ユーザーの行動が自然にシナリオ化していて、それに沿ったコンテンツやアプリケーションを購入していくことを目指す」(竹之内氏)。従来も“リコメンド”という形で、各ユーザーに合ったコンテンツを提供することを目指してきたKDDI(2004年8月27日の記事参照)。そのコンセプトを強化していく。
BREWの完全解放はなし
また、竹之内氏はBREWのオープン化に関する考えにも触れた。
BREWでは現状、KDDIが認証したアプリケーションしか配信できない仕組みを取っており、ウィルスなどの危険を未然に防ぐ体制を取っている。そのため、認証に時間がかかることや、コストの問題から世に出るアプリケーションの種類が限られるという課題があった。既に1000本を超えるBREWアプリが登場しているが、その8割はゲームだ。
またKDDIの意向も反映されるため、独創的なアプリは登場しにくく“オープン”とはいえない環境となっている。例えば、ドコモのアプリケーション環境iアプリでは、Javaを使ったフルブラウザなどが登場してきているが、BREW環境では配信されていない。
「オープンなOSでは、ウィルスやアタックが始まっている」と竹之内氏。Symbian OSを中心に、携帯電話がクラッキングのターゲットと見なされるようになってきた現状(2004年6月17日の記事参照)を踏まえ、BREWの開放には消極的だ。
「携帯内部にアクセスできるアプリを作れることがユーザーにとっていいことなのか。(携帯電話)内部に影響がないアプリに関しては開放するが、すべてを開放するつもりはない」(竹之内氏)
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