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2006年、最も売れた端末は? ウィルコム編2006年 年間携帯販売ランキング

通話、データ通信を含めた“定額”プランが好評のウィルコム。2006年はW-ZERO3シリーズやW-SIM対応のシンプル端末なども投入した同社の端末で、最も人気を得た端末は何だっただろうか。

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年間/下半期トップは“シンプル京ぽん”「WX300K」

  2006年総合 2006年下半期
1 WX300K WX300K
2 WX310SA nico.
3 nico. WX310SA
4 WX310K W-ZERO3[es]
5 W-ZERO3(WS003SH) WX310K
6 W-ZERO3[es] 9(nine)
7 H-SA3001V W-ZERO3(WS004SH)
8 WX310J WX310J
9 AH-J3003S W-ZERO3(WS003SH)
10 AH-K3001V W-ZERO3 Premium version(WS004SHP)
この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています。

 2006年のウィルコムで最も売れた端末は、圧倒的な強さで京セラ製の“シンプル京ぽん”こと「WX300K」だった。

 WX300KはOperaフルブラウザ、POP3/SMTPメール機能を搭載しつつも、音声通話重視のユーザーをターゲットとするエントリーモデルとして、2005年11月に登場した端末。通信環境も当初は1xパケット通信のみだったが、2006年6月に4xパケット通信に対応新色の追加なども含め、2006年は細かい進化も遂げた。

 2006年は、販売ランキングの全週で首位を獲得。W-ZERO3シリーズやnico.、9(nine)などの新端末が登場してもその座は明け渡さず、2007年2月第1週現在も首位をひた走ることからも、その人気のほどが伺い知れる。


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2006年、一度もランキングの首位を明け渡さなかった「WX300K」

 そのほか、2006年に発売された新端末「W-ZERO3[es]」や「nico.」(7月発売)、「9(nine)」(12月発売)も好調だった。2006年総合で3位、下半期で2位に入ったnico.は、大手量販店向けの限定色モデルや、PHSの低電磁波性をいかし、医療・福祉機関などへの採用拡大を狙う抗菌モデルデザインコラボモデルなどの派生バリエーションも登場した。

 12月発売の9(nine)は、集計期間が短期であるにもかかわらず下半期6位にランクインした。生産が間に合わず、在庫切れの状況が2007年1月現在も続いている販売店も多いようで、販売数の増加に思わぬブレーキがかかってしまっているのが残念なところだが、それだけニーズがある端末ということはこの状況からも伺える。

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2006年に発売された新機種。左から「W-ZERO3[es]」、「nico.」、「9(nine)」

W-ZERO3シリーズの功績

photo 2005年12月に発売された「W-ZERO3」

 ウィルコムは現在、新端末を投入し、加入者数を増やす国内唯一のPHSキャリアである。

 かつてNTTパーソナルとして展開していたドコモのPHSサービスは、2005年4月末に新規申し込みの受付を終了し、2007年の秋から冬をめどに終了すると告知。アステルPHSサービスも2006年12月に、東北インテリジェント通信(東北6県および新潟県内)の展開を最後に、全てのサービスを終了した。また、新規参入する企業も今のところない。

 2006年は、2005年末から大きな話題となったWindows Mobile+QWERTYキーボード搭載のスマートフォン「W-ZERO3(WS003SH)」(2005年12月発売)のヒットを皮切りに、メモリを増強した進化版「W-ZERO3(WS004SH)」(2006年6月)、ダイヤルキー+2.8インチVGA液晶の搭載で小型化された「W-ZERO3[es]」(2006年7月)、W-ZERO3[es]にOCR機能やホームメニューを追加した進化版「W-ZERO3[es] Premium version」(2006年11月)が発売された。

 W-ZERO3シリーズのヒットにより、Windows Mobile+QWERTYキーボードを搭載するスマートフォンという市場の礎が国内でも築かれた。OSを開発するマイクロソフトは「2007年にWindows Mobile搭載機を10機種以上ラインアップしたい」と述べ、他キャリアでも法人向けとなるが、ドコモからHTC製のスマートフォン「hTc Z」、ソフトバンクモバイルから同じくHTC製の「X01HT」などが発売されている。マイクロソフト以外にも、2007年1月に米AppleからiPodの機能も融合した「iPhone」が発表され、国内市場への投入に期待が集まっている。

常に“定額”のサービス展開ができる強み

 「定額」サービス。それが、ウィルコムがユーザーに支持される大きな理由の1つだ。ウィルコム同士はもちろん「070」で始まる他社PHSサービスとの通話を月額2900円で定額にする「ウィルコム定額プラン」や、インターネットやEメールのデータ通信を定額(6090円から)にする「つなぎ放題」プランを用意する。

 2006年に多く売れた「WX300K」や「nico.」は主に音声通話をメインとするユーザー向けの端末。家族との通話用として複数台購入したり、W-ZERO3や他社携帯をメインにするユーザー向けに音声通話用のセカンド端末として導入するニーズにマッチした結果と思われる。

 「ユーザーの不満点の大きな1つに、品揃えの薄さがあった」と2005年9月にウィルコムの八剱社長(当時)が述べた同社のウィークポイントは、2006年にかなり払拭された。既存の「WX310K」(2005年11月発売)、「WX310SA」(2005年11月)などのほか、より“携帯”のように使用できるスタイルを採用した「W-ZERO3[es]」や、W-SIMに対応するシンプル音声端末「nico.」、子ども向け機能/デザインを採用する「キッズケータイpapipo!」シリーズ、スリム&スクエアなストレート型ボディとPC向けサイトの閲覧に対応した「NetFront」+高速通信が特徴の「9(nine)」などを投入し、各セグメントにマッチする端末ラインアップを増強した(初出時、9(nine)のブラウザ表記部分に誤りがありました。正しくは上記となります。お詫びして訂正いたします)

 ウィルコムのPHSサービスは定額制がキモであるがゆえ、ウィルコムから見ると、ヘビーユーザーであるほどARPU(加入者1人あたりの月間売上高)の割合が低くなる懸念もある。しかしその下げ幅は改善傾向にあり、「加入者の増加に伴い、収益も堅調に推移している」と2006年10月に社長に就任した喜久川氏は語る。なお同社の累計契約数は、2006年1月末の365万1000から440万2500(2007年1月末時点)と1年で75万1500の純増となり、500万の大台が見えてきた。

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2007年1月に発表した新機種。左から「WX320K」「WX321J」「WX220J」「nico.ベネトンコラボモデル」「nico. neco」「AX530IN」

 2007年のウィルコムは、1月に音声端末3モデルと高速化したW-OAMデータカード、nico.のコラボモデルを含めた全6機種の新端末投入を皮切りに、WX310Kの後継となりえる高機能音声端末の投入も示唆している。大容量・省電力のマイクロセルネットワークという独自の特徴を生かし、個人ユーザーに加え、法人や取引先、医療機関、シニア、サークル、家族、友達といったコミュニティも含めた、“制約のない”サービスとプロダクトを展開する考えだ。


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