W52Tとほぼ同じ? いや、微妙に違う写りの差──「911T」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/4 ページ)
前回行ったauの“ほぼ全部入り”「W52T」に続き、今回はソフトバンクモバイルの“ほぼ全部入り”「911T」のカメラ機能をチェックする。それぞれカメラ機能は320万画素のAF付きでスペック同じだが、場合によって写りが微妙に違う……それはなぜだろうか。
撮影後の楽しみと不満
撮影後の画像はその場でメール送信できるだけでなく、「外部送信」メニューから赤外線あるいはBluetoothでの送信が可能だ。
撮った写真は再生モードで見られるほか、「フォトdeショー」機能で充電時画面で再生するスライドショーにしたり、自分で撮った写真を利用した待受画面である「フォトアニメ壁紙」にも使える。
フォトアニメ壁紙は、あらかじめ用意してある画像と写真を組み合わせた壁紙を作ってくれる機能。これはこれでなかなか遊べる。
残念なのは、どちらも最大の3Mモードで撮った大きな写真が使えないことだ。そんなの内部で画像を自動的に縮小してそのデータを使えばいいのだから、撮影したモードによって使えないという項目があると興ざめしてしまう。
また、せっかくワイドVGAの高精細ディスプレイを採用しているのに、再生モード時はディスプレイを縦位置で使うことを前提としているような仕様であるため、上下に大きく余白が入った状態で表示されるのも不満の1つ。モバイルカメラモードで撮った写真ならまだしも、横位置で撮った写真なら横向きで画面いっぱいで見たいではないか。ボタン1つで縦横を回転させて、「デジタルカメラモード」で撮った写真をフルスクリーンでスライドショーしてくれるくらいの技は見せてほしかった。
動画は3つのモードがある。その中でも圧巻は「ビデオカメラ」モードだ。携帯の動画機能としては最高クラスとなるVGA(640×480ピクセル)サイズの30fps動画が撮れる。
ファイル形式は3GPP2(拡張子は.3G2)。MPEG-4を使ったモバイル用のファイル形式で、本体のほか、PCなどでも3GPP2に対応したプレーヤーで鑑賞できる。録画は本体の内蔵メモリに行う(microSDへは直接録画できない)。データレートが高いため、使用するmicroSDの種類によっては記録が間に合わない可能性があるからだろう。録画後のデータは自由にmicroSDへ移動できる。
その画質は、さすがに圧縮率が高いためか細かいところはつぶれる傾向で、音声も本体のマイクを使うため音質もイマイチなのだが、それはDVカメラなどの専用機と比べた場合。ケータイの動画撮影機能としてはかなりすごいといっていい。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
毛繕いしているのら猫を撮ってみた。動きも滑らかで意外によい。猫の横で世間話をしている近所のおばさんの声がでかく入ってしまったが、それは気にしないでください。まさかここまで音声が録れているとは予想してなかったので。
ちなみに別売りのビデオ出力ケーブルを使えば、家庭用テレビで動画鑑賞することもできる。
なかなか気合が感じられる、楽しいカメラ
そんな感じで、意外にきれいな絵が撮れたのにはびっくりした。
ほぼ同じ仕様と思われたW52Tと大きな差が出た作例については、端末の差によるものなのか個体差によるものなのか、それとも撮影環境のわずかな違いが大きな差になったのか。同日同時刻に比較しながら撮ったわけではないのでのでなんともいえないが……。
また、再生や写真の応用機能については改善を要望したい箇所もある。「フォトdeショー」や「フォトアニメ壁紙」機能を用意するなら、どのモードで撮った写真でも自動的に縮小したデータなどを適当に自動作成するなどして対応してほしいし、横位置画像を画面いっぱいに表示したスライドショーなども再生できるようにしてほしい。
ともあれ、カメラ機能としては保存時のもたつきさえ目をつぶればかなりいい感じに仕上がっていた。動画もこれだけのものが録れるのであれば、あれこれ撮影して遊べそうだ。
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