NECは12月10日、NTTドコモが商用サービスを予定するスーパー3Gの無線基地局開発における開発・製造ベンダーに選定されたと発表した。
Super3Gは、遅延の改善や周波数の利用効率向上などを目的とするとともに、下り100Mbps以上・上り50Mbps以上の通信速度を実現する、W-CDMA(3G)の拡張技術HSDPA/HSUPAをさらに発展させた高速規格。W-CDMAの標準化団体3GPPでLong Term Evolution(LTE:Super3Gの3GPP規格名称)として標準化が進められ、主要仕様はおおむね策定済みとする。
そのほか同日、IEEE802.16eに準拠するモバイルWiMAX製品群「PasoWings」(パソウィングス)を製品化し、グローバルな販売活動も開始した。
PasoWingsは、PC向けPCカード型加入者端末から、基地局やアンテナといった無線アクセス製品、ユーザー認証サーバや位置情報管理サーバなどのアプリケーションサーバで構成。このほか、基地局間や基地局とコアネットワークを接続するバックホールシステム、モバイルWiMAXネットワークでIP電話を実現するためのSIPサーバなど、同社が持つネットワークソリューションとPasoWingsを組み合わせ、通信事業者のネットワーク構築に必要な要素を一括でまかなえるメリットを提案する。
対象顧客は、無線アクセス市場や現行ブロードバンドサービスの補間・強化を考える固定通信事業者、ブロードバンド新興成長国での短期間展開を考える通信事業者など。今後3年間で1万5000システムの販売を見込む。
関連記事
- ドコモ、次世代通信規格「スーパー3G」の実証実験をスタート(2007年7月)
NTTドコモは7月から、W-CDMAを拡張してより高速な通信速度を実現する「スーパー3G」システムの実証実験を開始した。下り最大約300Mbpsの実現を目標にしている。 - ドコモ、NECをスーパー3Gの端末ベンダーに選定(2006年11月)
- ドコモ、スーパー3Gの実用化へ向け始動──装置開発メーカーを募集(2006年7月)
- 固まってきた、スーパー3Gの技術概要(2005年7月)
- 4Gなんていらない?──ウルトラ3Gとスーパー3G(2005年6月)
KDDIが発表したウルトラ3Gや、ドコモのスーパー3Gは、通信速度などだけを見ると“4G”と呼んでもいいほど進化している。しかし4Gとは言えないし、言いたくない理由もある。 - HSDPAと4Gの間を埋める「スーパー3G」〜ドコモ(2004年7月)
- NEC、台湾からモバイルWiMAX用基地局を受注(2007年12月)
- スーパー3GにモバイルWiMAX──ドコモ、KDDIがデモ(2007年10月)
- 2.5GHz帯は誰の手に──WiMAX陣営3社がそろって免許申請(2007年10月)
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.