2.5GHzの割り当ては「WiMAXの2社が望ましい」――ソフトバンク、イー・アクセス陣営が総務大臣らに要望書
2.5GHz帯の獲得を目指す争いが激化する中、ソフトバンク/イー・アクセス陣営のオープンワイヤレスネットワークが総務大臣と電波監理審議会の会長に要望書を提出。要望の1つには「WiMAX の2社が望ましい」というものも含まれる。
2.5GHz帯の免許取得を巡る争いが激化する中、21日の審査結果の諮問を目前に控えた20日、ソフトバンクとイー・アクセス、オープンワイヤレスネットワーク(OpenWin)が総務大臣と電波監理審議会の会長に要望書を提出した。
2.5GHz帯の周波数割り当て2枠については、KDDIを中心とする6社連合のワイヤレスブロードバンド企画、ソフトバンクとイー・アクセスが30社超の企業と連合するオープンワイヤレスネットワーク、アッカ・ネットワークスを中心にNTTドコモら15社が参画するアッカ・ワイヤレス、PHS事業を展開するウィルコムの4社が獲得を目指して申請を行っており、21日にも審査結果が電波監理審議会に諮問される予定となっている。しかし、21日を待たずに内定報道が繰り返されるなど、その争いはヒートアップ。要望書の冒頭には、「総務省の関係者でなければ分からない情報に基づく報道が繰り返されたこと」を懸念する旨が記載されている。
要望は(1)諮問内容の公開と、それに基づく意見聴取の要望(2)審査期間の公正性(3)モバイルWiMAX技術を選択する事業者に対する要望(4)財務的基礎に関する審査に対する要望(5)アイピーモバイル跡地の周波数利用を考慮した審議の要望(6)事業者選択に対する要望 で構成される。
3社は、21日の電波監理審議会への諮問後、答申が出る前に21日の諮問内容を公開することと、関連各社が内容を確認して意見を述べる機会を要望。また、免許を取得した事業者がMVNOに回線を卸す際の条件やコストを明確化することや、免許が取り消されたアイピーモバイルの跡地周波数の利用を考慮に入れた審議についても要望書に盛り込んだ。事業者選択については、「国際競争力や公正な競争環境創出の観点から、モバイルWiMAXを推進する事業者2社が望ましい」としている。
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