“ケータイらしい”スマートフォン――片手操作にこだわった「F1100」が狙う市場(1/2 ページ)
ドコモの富士通製スマートフォン「F1100」は、OSにWindows Mobile 6 Standard Editionを搭載したWindowsケータイ。老舗端末メーカーが満を持して投入する、“ケータイらしい”操作感を持つ端末だ。
3月17日の発売が発表されたNTTドコモの富士通製スマートフォン「F1100」。発売発表に先駆け、スマートフォン情報サイトの「Windows ケータイ FAN」と「Kzou’s Diary (^^ヾ) 」が主催するブロガー向けのF1100説明イベントが開催された。会場にはドコモと富士通、マイクロソフトの担当者らも訪れ、F1100の魅力をアピールした。
NTTドコモのプロダクト&サービス本部ユビキタスサービス部の保坂一氏は、「契約数が1億を超え、日本の携帯市場は飽和しつつある。通信速度の向上やサービスの高度化、価格競争に加えて、2台目需要や法人需要といった新市場の開拓に迫られている。ドコモは『F1100』をコンシューマ市場にも投入することで、よりケータイ的なWindows Mobile端末というポジションのスマートフォンを確立させたい」と述べた。
「M1000」や「hTc Z」など、これまでドコモが発売したスマートフォンはすべて法人市場向けだった。F1100は法人向けだけでなく、キャリアショップや量販店など一般の流通チャンネルを通じてコンシューマ向けに販売される。保坂氏は「企業ユーザーはもちろん、ビジネスコンシューマーにも広く使ってもらうことで、ホワイトカラーの業務改善や効率向上によるイノベーションに役立つのではないか」と期待を寄せる。
スライドボディのF1100はダイヤルキーとソフトキーを備えるが、多くのスマートフォンに見られるQWERTYキーボードを搭載していない。また、OSにはWindows Mobile 6 Standard Editionを採用し、タッチパネル操作にも非対応だ。富士通モバイルフォン事業本部マーケティング統括部の堂本泰成氏はその理由を、「“ケータイらしさ”を求め、片手操作にこだわったため」と説明する。
「スマートフォンに求められるのは、PCやネットワークとの親和性。そのため、F1100のOSには汎用性や拡張性があり、世界標準といえるWindows Mobile 6を採用した。また、ケータイらしい操作性を追求し、片手でもすべての操作がしやすいStandard Editionを選んだ」(堂本氏)
またF1100の開発には、富士通の携帯電話開発技術が惜しげもなく注ぎ込まれているという。“スマートフォンらしからぬ”質感のボディは、112(高さ)×51(幅)×16.9(厚さ)ミリと、よくあるケータイに近いサイズを実現。ディスプレイ面はクリアパネルを挟むことで、段差のないフラットなフォルムに仕上げている。背面には格子状のモールディングを施し、高級感を演出した。ボディカラーは、ビジネスユースを考慮して落ち着いたトーンのダークワインを用意した。
ダイヤルキーはシートキーだが、使用機会の多い十字キーやソフトキーにはフレームレスキーを採用。ディスプレイ下には、ユーザーがカスタマイズできるマルチキーを4つ搭載する。アプリケーションや電話番号、メールアドレスを4個×3グループ(合計12個)登録でき、メニュー画面をたどらずにさまざまな機能をワンタッチで切り替えられる。
Windows Mobile端末の待受画面である「ホーム画面」も、ケータイらしい操作性を追求した。購入時に設定されている富士通オリジナルの「情報キャンバス」は、マナー設定などの端末プロファイルをアイコンで表示し、ケータイのようなインタフェースとなっている。Windows Mobile端末では自分で登録が必要だった自局番号も、メニューキーの後に0キーを押す、いわゆるメニューゼロで表示可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.