目標は国内シェア「5%」――スマートフォンでケータイ市場の変革に挑むHTC(2/2 ページ)
HTCがTouch DiamondおよびTouch Proに関する事業戦略説明会を開催。独自UIの「Touch FLO 3D」やデザイン性の高いコンパクトボディなど、その魅力を説明した。また、グローバルモデルの早期国内投入の裏側も明かした。
なおTouch DiamondとTouch Proは、日本のすべての携帯電話キャリアから発売される。前述のように、Touch Proはドコモ/KDDI/ソフトバンクモバイルの3社から、Touch Diamondはドコモ/ソフトバンクモバイル/イー・モバイルの3社から販売されることが決まっている。これは、キャリア主導で端末を開発する日本のケータイ市場では異例のことであり、同社にとって大きなトピックだ。
「我々は4つのキャリアにTouch DiamondとTouch Proを供給する。ユーザーには、タッチパネルのみのスマートフォンと、タッチパネル+QWERTYキーボードのスマートフォンという選択肢のほかに、好みのキャリアで使うという選択肢を提供することができる」(コウ氏)
マルチキャリアで展開するTouch DiamondとTouch Proだが、SIMロックはかけられている。また、キャリアによる通信規格と周波数の違いがあることから、SIMカードを差し替えての利用は原則的に行えないという。
目標は、ケータイ市場の5%
すでにTouch Diamondはイー・モバイルから販売されており、その売れ行きは「欠品になった店舗もあるそうで、予想をかなり上回る」(コウ氏)という。Touch DiamondとTouch Proは、HTCのグローバルなマーケティング戦略に沿って各国で発売されており、日本も例外ではない。
「これまで我々が国内キャリアに供給してきた端末は、海外の発売からある程度期間が経過していたものがほとんどだった。しかし日本は我々にとって重要な市場であり、Touch DiamondとTouch Proについては従来よりも発売タイミングを速めた」(コウ氏)
Touch Diamondは2008年5月に発表された後、これまでに100万台を出荷。2008年10月末には300万台の出荷を達成する見込みだという。グローバルな戦略モデルとして短期間での成功を収めたTouch Diamondだが、イー・モバイル向けモデルでは日本市場向けとして欠かせない仕様のローカライズも施されている。
「日本向けのTouch Diamondは、キャリアメールや絵文字のサポートのほか、日本語入力の予測変換や連文節変換、英日辞書、ナビアプリを搭載した。また、HTCとキャリア、マイクロソフトの3社は、サードパーティによるWindows Mobile向けアプリの開発についてサポート体制を強化しており、オープンプラットフォームビジネスを促進している」(コウ氏)
またコウ氏は、Touch Diamondの日本投入により国内ケータイ市場を変えることができるだろうと述べ、近い将来、国内シェア5%を達成したいと意気込んだ。
「販売奨励金制度の廃止による端末開発サイクルの長期化や、開発コスト削減を目指したオープンプラットフォームの採用など、マーケットの飽和に合わせて日本のケータイ業界は今、大きく変わろうとしている。またユーザーは、端末を自分のライフスタイルに合わせて選ぶようになってきた。これはHTCにとってチャンスであり、魅力的なスマートフォンの投入によって年間端末販売数シェア5%を目指したい」(コウ氏)
なおAndroid端末の国内販売については、「近い将来、日本でも販売したいと思う」(コウ氏)とコメントするにとどめた。
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