写真で解説する「AX530S」(2/2 ページ)
“W-OAM typeG/8x対応の高速通信”、さらに“スロットからはみ出ない”──。セイコーインスツル製の「AX530S」はウィルコムのデータ通信端末ユーザーにとって、そして他社データ端末ユーザーにとっても「あ、意外にいいかも」と思えるいくつもの特徴や機能を備えて登場する。
このほか、本体をすっぽり収容できるケースが付属する。このケースが実はUSBアダプタであり、AX530SをUSB接続対応に変化させるのだ。
このUSBアダプタに備わるUSB端子はMini USBで、市販の巻き取り型USBケーブルなども使えるだろう。なおUSBアダプタには“シリアル-USB”といったような変換回路が入っているわけではなく、本体がUSB接続として認識し、動作する機能を備えることで実現している。そのため、このUSBアダプタをほかのPCカード型端末と組み合わせたとしても動作はしない。
このUSBアダプタかなり多機能で、よく工夫されている。背面にあるフックにより、ノートPCのディスプレイ上に引っかけて利用したり、カバーを外して裏返しに付け替えることで立てて使えるスタンドになる。このように利用するとフットスペースが節約できるので、喫茶店などの狭い席でも重宝することだろう。
本体のアンテナは伸縮機構を備えるロッドアンテナに加え、ロッドアンテナの反対側にチップアンテナも内蔵する。ダイバーシティー方式というわけではないようで、4xパケット通信をサポートする2つの通信モジュールにそれぞれが接続されているのだという。説明員によると「理想としては2本ロッドアンテナを立てたいところだが、デザインや使い勝手と性能のバランスを考慮した」結果、このような仕様となった。
ちなみにPCカードスロットへ完全に収納したままでも電波が入りさえすれば利用できるが、速度への影響は無視できないと思われる。
気になる通信速度だが、発表会会場(東京都千代田区)ではコンスタントに700kbps前後を記録していた。おそらくこの場所は基地局の光IP化完了エリアであるが、屋外や窓際といった通信環境がとくによさそうな場所というわけでもなく、複合ビル内12階の大きな会議場であったことを考慮すると、なかなか高いパフォーマンスだと思う。ちなみにデモ用に簡易基地局を準備したわけではなく、既存の基地局を利用しているとのことだ。
また、発表会場近辺(東京都千代田区付近)の基地局はすでに光IP化がほぼ完了おり、このほか都市部でも随時とバックボーンの光IP化を進めているという。
機種名 | AX530S |
---|---|
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約54×86×5ミリ |
重さ | 約37グラム |
通信方式 | 8xパケット方式、4xパケット方式、2xパケット方式、1xパケット方式、フレックスチェンジ方式、64kPIAFS方式、32kPIAFS方式 |
消費電流 | 平均約430mA |
使用電源 | DC5V |
対応OS | Windows Vista/XP/2000 Professional、Mac OS X 10.2〜10.5(10.3、10.3.1、10.3.2、10.3.3を除く) |
主な特徴 | ロッドアンテナ、USBアダプター付属(PCカード/USB接続 両対応)、国際ローミング(台湾、タイ、ベトナム)対応、ユーティリティ「カード診断プログラム」添付 |
ボディカラー | ブラック |
発売 | 2008年11月7日(11月4日予約開始) |
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