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コラム

第4回 “ベーシックとバリュー”、結局何が違う?ケータイの「分離プラン」を改めて考える(1/3 ページ)

前回は「分離プラン」と合わせて導入された分割払いにおける端末購入について触れた。今回は従来モデルに近い形で残されたNTTドコモのベーシックコースとバリューコース、KDDIのフルサポートコースとシンプルコースの違いを比較するとともに、イー・モバイルの分離プランの仕組みを考察する。

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photo ドコモは2007年11月に分離プランとなる新たな販売方式「ベーシックコースとバリューコース」を導入(写真は新販売方式発表当時の中村維夫前社長)

 携帯電話の既存キャリアとPHSのウィルコムは、それぞれ端末代金を分割払いできる仕組みを導入し、すでに主流になりつつある。キャリアごとに細かな違いはあるが、端末は購入時に値引きされない代わりに月々の利用料金を割り引いて安くする仕組みである点は共通だ。

 一方で、ドコモとKDDIは従来の端末販売方法を終息させつつも(ドコモは905iシリーズより前に発売した在庫端末のみ従来モデルで販売)、それに近い販売方式──ドコモはベーシックコース、auはフルサポートコースを用意する。端末価格は分離プランのそれと同じだが、端末購入時にまとめて値引きして月々の基本料金は従来どおりとなるものだ。

 従来と異なるのは、購入端末を24カ月継続して使用することが前提となり、値引き額は端末価格に関わらず同額となること。条件の期間以前に解約、あるいは機種変更(買い増し)する場合は、いわゆる契約解除料金として購入時に値引かれた金額の一部を端末利用期間に応じてユーザーが支払わなければならない。

 ドコモのベーシックコースは、ベーシックコースで端末を購入した場合の基本料金プランとなる“ベーシックプラン”を用意し、購入時に端末価格を1万5750円値引きする。auのフルサポートコースも同様に、フルサポートコース用料金プランを用意し、2万1000円を値引く。ただしこの2社の仕組みには値引き額以外にもやや違いがあり、前回触れた典型的な分離プランに対する位置付けも少し異なる。

 ドコモの場合は、典型的な分離プランである「バリューコース」に対して、このベーシックコースを選ぶメリットは(現状)あまりない。バリューコースは基本料金が約半額になる上、24カ月に渡って購入した端末を使用すると、実質の割り引き額が2万円ほどになるからだ(24カ月を超えるとさらに割安になる)。

 利用期間が24カ月に達する前に解約、あるいは機種変更する場合も、実質の端末代金は割り引き額の違いがそのまま反映される。バリューコースなら端末代金の残金を分割で払い続けることも選択できるが、ベーシックコースの契約解除手数料は一括で支払う必要がある。料金面の特典も実はほとんどないが、あえて言うならば基本料金が高い分、100ポイント=100円単位で端末や商品を購入できる“ドコモポイント”が貯めやすい(バリューコースによる端末の分割払い額はドコモポイント取得の対象にはならない)ことに加え、従来の販売方法に近い方法を残してあるということになるだろう。

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