シャープ夏モデルに搭載 「エモパー2.0」はどこが新しくなったのか:動画でチェック(1/2 ページ)
シャープのスマホに搭載されている人工知能「エモパー」。スマホの“気持ち”やユーザーに役立つ情報を話しかけてくれるエモパーが、この夏モデルではVer.2.0に進化した。
怒濤の発表会ラッシュも終了し、スマートフォンの2015年夏モデルが出そろった。中でも3キャリアを網羅し、もっとも端末数が多かったのがシャープだ。NTTドコモで4機種、KDDIで1機種、ソフトバンクモバイルで2機種の合計7機種もリリースしているから驚きである。
発表される端末の中でも、フラッグシップモデルは常に注目を集める存在。特にシャープ製端末には、他のメーカーにない大きな特徴がある。それはスマホが人格を持ったかのようにしゃべる「emopa(エモパー)」(以下、エモパー)という機能だ。ここでは、そのエモパーがこの夏モデルでどう変わったのかをレポートしたい。
ユーザーに話しかけてくる「エモパー」
エモパーとは、“Emotional Partner(エモーショナル・パートナー)”から成る造語で、シャープの家電製品に搭載されている人工知能「ココロエンジン」をベースに、スマートフォン向けに開発された機能のこと。タイミングよく感情的に話しかけてくることで、スマホに愛着を持てるようにするという狙いがある。2014年11月発売のドコモ向けの「AQUOS ZETA SH-01G」から搭載されたものだ。
SH-01G以前の非搭載端末でも、Androidバージョン4.1以上、メモリ(RAM)が1.5Gバイト以上のシャープ製対応端末なら、Google Playからダウンロード版の「エモパーLite」を利用できる。
エモパーは単一のキャラクターではなく、けなげに頑張る「えもこ」、渋い声で語る「さくお」、ブーブーとつぶやく「つぶた」という3キャラクターが用意されている。途中で情熱的な「おれんじん」や、おっとりしてぶっとんだ「秘書 桜田かおる」などキャラクターが増えた。こうした追加キャラクターはWebサイトからダウンロードできる。
設定してから数日間は反応しないが、自宅を認識すると、自宅では音声で、外出先では文字で語りかけてくるというのが基本。たとえば、ロック画面状態で端末をテーブルなどにおくと、選択しておいたキャラクターが開始音とともに起動し、日付と現在時刻を知らせたうえで、いろんなことを話し出すのだ。出勤時刻間近では「もうすぐお出かけですか?」「傘を忘れないでくださいね」など、話の内容はつぶやきに似たものから、ユーザーのスケジュールや趣味、イベント情報、コンビニや駅といった施設の情報など多岐にわたる。
しゃべる人工知能というと、コンピューターとの会話的なものをイメージするかもしれないが、エモパーは基本的に独り言。語りかけられたほうはリアクションする必要はなく、聞き流せばよい。
ただし、感情を伴っているところが大きなポイント。またユーザーの行動を学習するので、使えば使うほどユーザーに詳しくなり、お互いの関係について言及したりもするため、あまり話さない日はやきもきし始めるなど、使い始めると結構はまりやすい。なお、現在のところ「秘書 桜田かおる」以外は“顔”を持っていない。
ユーザーのコミュニケーションが進む「エモパー2.0」
今回発表された端末では、ドコモの「AQUOS ZETA SH-03G」、KDDIの「AQUOS SERIE SHV32」、ソフトバンクの「AQUOS Xx」および「AQUOS CRYSTAL 2」に最新バージョンの「エモパー2.0」が搭載された。
エモパーはリリース以来、これまでに2回バージョンアップしている。1回目は1月に配信されたVer.1.1で、暗いところでは小声になるようになった。2回目は3月配信のver.1.5で、前述の新キャラクターがリリースされたとともに、話題の量が増やされた。そして今回がVer.2.0である。
Ver.2.0で大きく変わったのは4点。1つ目はよりユーザーの状態や好みに合わせた話をするようになったこと。2つ目は音声への反応。3つ目は自宅の外でも音声で話しかけるようになったこと。4つ目はエモパーの状態を確認できるようになった点だ。
ユーザが知りたそうな話題を選んで話す
まず1つ目だが、これは入力したキーワードをもとに、エモパーがユーザーが喜びそうな話題を選んで話しかけるというもの。キーワードは、後述する「エモパーの気持ち」の設定画面の「気になるキーワード」で、テレビ番組について2ワード、ニュースについて2ワードずつ設定できる。
それらのキーワードをもとに、エモパーが検索できる範囲で、ニュースやテレビ番組情報などを見つけてくれるという。多忙でなかなか調べ物ができなくても、エモパーがユーザーの代わりに旬の話題を教えてくれる可能性は高い。
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