2台目+データ増収で好調のKDDI、次の一手はロボット?電力? 2年縛りにも言及:新領域も成長中(1/3 ページ)
過去最高益という第1四半期決算を発表したKDDI。3M戦略による2台目需要で、タブレット販売とデータ収入が増益に寄与したほか、auスマートパスやau WALLETなどの付加価値領域も順調だ。
KDDIは8月7日、2016年3月期の第1四半期(4〜6月)決算を発表した。売上は前年同期比7%増の1兆466億円、営業利益は同比19%増の2310億円で増収増益だった。第1四半期としては過去最高の営業利益・純利益を記録した。
同社の田中孝司社長は決算会見で、「3M戦略の推進で総合ARPA収入が拡大したうえ、新たな成長に向け国内外で行っている取り組みの結果が出ている」と好調な業績を説明した。
3M戦略は、移動と固定(マルチネットワーク)をセット販売する「auスマートバリュー」で獲得した安定的な顧客基盤上で、スマートフォンとタブレットを複数台契約させるマルチユース、「auスマートパス」「au WALLET」などの付加価値(マルチユース)収入を拡大させる取り組み。
ARPA(Average Revenue Per Account)は従来のARPUに変わる指標で、契約数ではなくユーザー1人から得られる月間平均収益のこと。1人あたりのau通信ARPAは前年同期比2.4%増の5600円となり、第1四半期は通信収入と付加価値収入の双方が伸び、前年同期比4%(179億円)増で営業利益をけん引している。
「通信ARPA」の内訳は非開示だが「音声が落ちて、データが上がっている」(田中社長)とのことで、タブレットやルーターなどの2台目データ端末が寄与しているという。
純増数も同41%増の52万回線に達した。番号ポータビリティ(MNP)も数値は非開示としつつ、「我々の認識では46カ月連続でMNPはナンバーワンだと思う。あと2カ月で4年連続になるのでがんばりたい」(田中社長)と好調だ。スマホの契約数は55.1%で、デバイス数では特に個人向けタブレットの累計契約数が同2.3倍に拡大。1人あたりのデバイス数も1.38台と複数台ユーザーが増加した。
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