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4年ぶり増収増益のドコモ、新ARPU導入の背景 2年縛り見直しとMVNOの影響とは?ドコモ光も好調(1/4 ページ)

4年ぶりに増収増益の決算を発表したドコモ。2台目需要でタブレット販売が伸びたほか、新料金の浸透でパケット収入が伸びたほか、スマート領域の事業も順調に推移した。

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 NTTドコモは7月29日、2016年3月期の第1四半期決算(2015年度4月〜6月)を発表した。営業収益は前年同期比0.1%増の1兆769億円、営業利益は同12.3%増の2354億円、純利益は同23.8%増の1688億円で増収増益となった。

 ドコモの加藤薫社長は「増収増益の決算は、2012年3月期以来4年ぶり。年間計画の営業利益6800億円の向けて順調な滑り出しだ。本年度は2014年度に築いた礎をベースに、成長に向けて結果にこだわる方針だ。その第一歩は、通信事業、スマート領域、コスト効率化が順調に進捗(しんちょく)している」と振り返った。

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第1四半期決算を発表するドコモの加藤薫社長

改善傾向が続く通信事業

 通信事業では純増数が前年同期で約2倍の94万回線に増加。番号ポータビリティ(MNP)の転出数も同7割減の3万回線に改善した。解約率も0.59%と前回から横ばいしており、事業全体で改善傾向が継続している。

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純増数、MNP、解約率などの改善傾向が続く

 端末の総販売数は12%増の577万台で、うちスマートフォンは7%増の328万台。特にタブレット販売は「2台目需要が拡大」(加藤社長)していることから、57%増と大幅に拡大した。スマートフォンの利用数は約3000万契約で、LTE利用数も94%(2967万台)と、この1年間で17%増加している。なお端末価格を毎月割り引く「月々サポート」の影響で、通信事業の収益はマイナスだった。

 スマートデバイスの販売数について加藤社長は、「業界全体ではいっときほど伸びてはいないが、ドコモとしては少し伸びている。これをけん引しているのはタブレット。スマホの伸びはなだらかだが、これからの成長をドライブするのはタブレットで、その比重は高まるだろう」と予測した。またタブレットは法人需要のニーズも拡大しているという。

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端末販売では2台目需要でタブレットの伸びが顕著

 MNPについては、「プラス(転入超過)にしたいが、無駄な競争、規律に反するようなキャッシュバックはしないと宣言している。ただ週末になると“そういう市場が活性化”することもあり。できるだけ愚直に、プラスを目指したい」とコメントした。

 2014年6月に開始した新料金プランは開始1年で2100万契約を突破。ユーザーの7割超が中・大容量のパケット料金を選択しているほか、追加チャージの購入率も3割を超えるなど、データ収入の拡大が進んでいるという。

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新料金プランも順調に進捗(しんちょく)

 3月に開始した「ドコモ光」は累計申込数が約60万件に達したが、開通作業に時間がかかったこともあり、6月末時点の利用件数は約41万件になるという。ドコモ光については2割超のユーザーがデータ契約の上位プランへ以降しているほか、3割超が新規でモバイル回線を契約、また5割超が家族でデータ容量を共有できるシェアパックを選択するなど、「ドコモ光の導入はモバイル事業にもプラスの効果が現れている。家族利用が増え、リテンションというか、ドコモと長くお付き合いいただける状況が生まれてきている」(加藤社長)と分析した。ドコモ光自体の利益は「コールセンターの立ち上げなどもあり、まだマイナス」(加藤社長)とのことだ。

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