IFA 2015で見えてきたWindows 10世代のPCとモバイル:「モバイル・ファースト」時代のWindows最前線(1/2 ページ)
IFA 2015ではWindows 10を搭載したPC新製品が多数、披露された。年末年始に一挙登場する次世代のPCに加え、スマートフォンとの新たな連携も見えてきた。
9月4日から9日まで、ドイツ・ベルリンで国際家電見本市「IFA 2015」が開催された。近年は生活家電に加え、PCやモバイル分野の出展も増加している。中でも注目したいのは、Windows 10を搭載した新しい世代のPC製品だ。
7月にPC版がリリースされたWindows 10は、世界192カ国で7500万台のデバイスにインストールされ、Windows 8.1のシェアを猛追している。だがこれまでのところ、既存PCやタブレットからのアップグレードが中心で、新世代のPCはあまり登場していない。
PCメーカー各社の狙いは、年末商戦を見据えた10月頃にWindows 10世代の新型PCを一挙投入することにある。IFA 2015ではLenovo、東芝、ASUS、Acerなどが相次いで新型PCを発表。Microsoftによる基調講演においても、その多くが披露された。
東芝が次世代2in1のプロトタイプを発表
IFAにおいて毎年大型のブースを構えてきた東芝は、2015年の展示内容を変更。液晶テレビやAV機器の展示がなくなり、代わりにPCやフラッシュメモリに注力する形となった。日本における不正会計問題などが海外事業に与える影響が懸念される中、世界初の12.5型4KノートPCなど、多数のPC新製品を発表した。
特に注目を浴びたのが、次世代2in1デバイスだ。ブース担当者によれば、コードネームは「Pegasus」だという。アラン・ケイ氏が提唱した「ダイナブック」の思想を体現するプロトタイプとの位置付けで製品名は伏せられていたが、背面には「WT12PE-A」との型番表記があった。
タブレットとキーボードが分離する2in1機構を備えたPCは珍しくない。だが、タブレットとキーボードはこれまでにない薄さで、micro USBやMicro HDMIのポートをぎりぎり搭載できる程度の厚みしかないのが印象的だ。
また、キーボードにBluetoothなどの無線を用いる製品も多い中、東芝はタブレットとキーボードを電気的な接点で接続するという設計を採用した。これによりタブレットの脱着を検知することで、Windows 10のContinuum機能によるモード切り替えの利用が期待できる。タブレットとノートPCの状態をシームレスに行き来できる使い勝手を得られるだろう。
大きな特徴として、高解像度のディスプレイを備え、ペン入力に対応するという。これまでにも東芝は、dynabook Tabシリーズなどでペン入力に対応したタブレットを発売してきた。このプロトタイプにも、その延長上にある技術が採用されているものとみられる。Windows 10世代の2in1として、製品化が楽しみなデバイスだ。
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