IFA 2015で見えてきたWindows 10世代のPCとモバイル:「モバイル・ファースト」時代のWindows最前線(2/2 ページ)
IFA 2015ではWindows 10を搭載したPC新製品が多数、披露された。年末年始に一挙登場する次世代のPCに加え、スマートフォンとの新たな連携も見えてきた。
Lenovoの「ideapad MIIX 700」はSurface風デザイン
LenovoもIFA 2015で多数のPC新製品を発表した。その中でも目を引くWindowsタブレットが、「ideapad MIIX 700」だ。タブレット背面にスタンドを備えており、YOGAシリーズで培ったヒンジ技術により、見やすい角度に固定できる。マグネットで着脱できるキーボードと組み合わせることで、柔軟なスタイルで利用できるタブレットだ。
ただ、MIIX 700のスタイルはMicrosoftのSurfaceシリーズにあまりにも似ている点は気になる。画面比3:2、2160×1440ピクセルのディスプレイはSurface Pro 3と同様で、スタンドの形状やキーボードとの脱着機構、キーボードを折り曲げてタブレットに接着できる点など、Surface Pro 3をそのままコピーした印象を受ける。会場で取材にあたっていた海外メディアからも疑問の声が上がっていた。
また、Surface Pro 3ではキーボードを立てた状態でタイピングするとき、やや振動が気になる場合があった。MIIX 700でも同様にキーボードの付け根を折り曲げ、タブレットに接着できる仕組みだが、不安定さが目立った。11月の発売までに改善を期待したい点だ。
MIIX 700が優れる点として、LenovoはSurfaceに先駆けてIntelの第6世代プロセッサー「Core m7」を採用している。性能面では、Core i7などを搭載するSurface Pro 3と、Atomを搭載するSurface 3の中間に位置するポジションだ。もしデザインにもう一捻り加えることができれば、面白いタブレットに仕上がったのではないだろうか。
AcerがContinuum対応のWindows 10 Mobile機を開発
AcerはIFA 2015において、Windows 10 Mobile端末を発表した。会場にはAndroidと共通のハードウェアを利用した低価格機が並んだが、真打となりそうなのが5.5型ディスプレイのハイエンド端末「Jade Primo」だ。
Jade Primoの実機は会場に展示されず、発表会のステージ上での披露にとどまったものの、Windows 10 MobileのContinuum機能をサポートするのが特徴だ。これは本体を同梱のドックに接続することで、外部ディスプレイにPC版Windows 10を模した画面が表示され、キーボードとマウスを利用してExcelなどのアプリを利用できる仕組みだ。
MicrosoftはWindows 10 MobileのContinuum機能について、開発者向けのBuildカンファレンスなどでデモを披露している。だがContinuumのフル機能を利用するためのハードウェア要件は高く、既存端末の多くは限定的な対応か、非対応になるとみられる。そこでJade Primoは、最初からContinuumを想定した設計で開発を進めているというわけだ。
スマートフォンをドックに置くだけでPCのように使えるというのは、いかにも近未来的なスマートデバイスのあり方であり、Windows 10 Mobileの目玉機能でもある。Acerのブース担当者によればJade Primoはあくまで情報を公開した段階で、製品投入は2016年をめどにしているという。Windows 10 Mobileのポテンシャルをフルに引き出せる端末として、続報に期待したい。
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