韓国でも「プリペイドでLTE」が可能、香港事業者のSIMを試す――海外プリペイドSIM導入マニュアル:現地のプリペイドはなぜか3Gのみ(1/2 ページ)
LTEのカバー率が高い韓国だが、プリペイドSIMは3Gしか利用できない。しかし、香港で販売されているローミング対応のプリペイドSIMなら、現地でLTEを利用できる。
韓国のプリペイドSIMカードと言えば長らく「EG SIM」のみだったところに、最近は「KT is」が加わり選択肢が広がった。どちらも韓国の主要なコンビニなどで販売されている。仁川国際空港、金浦国際空港に到着後は、空港内のコンビニでこれらのSIMを買うのが一番簡単だ。
ところが、仁川国際空港は到着フロアの改装でコンビニが消滅し、最も近いコンビニは空港鉄道駅そばのセブンイレブンのみとなってしまった。また金浦国際空港の国際線出発フロアにあるセブンイレブンは規模が小さいこともあってか、最近はプリペイドSIMが品切れのことが多い。
これはここだけのことではなく、ソウル市内にある「プリペイドSIMあります」の看板を掲げているコンビニでも同様で、プリペイドSIMの在庫を切らす店が増えているように感じる。しかもこの両者のSIMは3Gのみに対応し、高速な4G回線は利用できない。日本同様に高速LTEネットワーク網が完備されている韓国で、3Gしか使えないのはちょっと残念だ。
そこで今回は、香港で販売されている韓国対応のプリペイドSIMで、韓国のLTE回線を利用してみた。香港の通信事業者は国際ローミング対応のプリペイドSIMの販売に積極的であり、4社ある全社が以下のプリペイドSIMを販売している。
CSL
韓国を含むアジア8カ国(韓国、日本、中国、マカオ、マレーシア、シンガポール、台湾、タイ)周遊タイプのプリペイドSIM。199香港ドル(約2850円)で5日間500MB、または238香港ドル(約3410円)で8日間500MBが利用可能。8日間タイプは発売になったばかりのこともあり、現在プロモーション中で1GBまで利用できる。
SmarTone
韓国とタイの共用タイプで、238香港ドル(約2850円)で5日間定額利用可能。
China Mobile Hong Kong(中国移動香港)
同社は韓国専用の7日間データ定額プリペイドSIMを288香港ドル(約4130円)で販売しているがこれは3G接続のみ。LTEを使いたい場合は「4G/3G Super Talk Prepaid SIM Card」(48香港ドル、約690円)などのプリペイドSIMを買い、それを使って韓国ローミングを行う。韓国ローミングの料金は1日ごと98香港ドル(約1410円)。2日程度の短期滞在なら上記SIMを買うより安いのがメリットだ。
Hutchison(3HK)
韓国を含むアジア10カ国(韓国、日本、台湾、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ニュージーランド、オーストラリア)周遊タイプのプリペイドSIMを288香港ドル(約4130円)で販売。なお同社は「中国・マカオ」「ヨーロッパ用」のものも販売しており、いずれもSIMのサービスは共通で初期残高が異なるだけの製品となっている。韓国で使う場合は最初に利用開始登録を指定ダイヤルに発信する必要がある。
これらのSIMのうち、China Mobile Hong KongのものはAmazonなどでも販売されている。CSLとSmarToneのものは海外SIM販売店などの取り扱いが主となるが、韓国に行く予定が年に何度かある場合はぜひ入手しておきたい。香港旅行へ行く知り合いがいれば現地で買ってきてもらうのもいいかもしれない。
ちなみに2016年4月に筆者がキャセイパシフィック航空に乗ったところ、機内ではCSLの8日間タイプのプリペイドSIMが販売されていた。キャセイに乗って台湾や香港に行くときや、友人がキャセイを利用する時に機内販売誌をチェックしてもらうのもいいかもしれない。
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