鮮やか・くっきり・麗しい――「Galaxy S7 edge」のカメラをあれこれ試す:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/5 ページ)
サムスン電子の「Galaxy S7 edge」は今までのGalaxyシリーズと比べてカメラ機能がとても良くなっている。いろいろ撮りつつ確かめてみよう。
サムスン電子の「Galaxy S7 edge」、今回は気合いがはいっていますな。KITTE(東京都千代田区)で「Galaxy Studio」というイベントまでやっていたほどに(参考記事)。
今回、私はau版の「Galaxy S7 edge SCV33」をお借りして、ほぼカメラ機能しか使ってないれけど、すごく良くできてるもの。イベントをやるほど気合い入ってるのも分かる。
ここ2年ほどGalaxyのカメラは、スマートフォンではiPhoneシリーズと肩を並べるレベルに良くなってたのだけれど、イメージセンサーが16:9であるなど、ちょっとクセがあったのだ。
対して、Galaxy S7 edgeは以前と比べてかなり良くなっている。まず、画面がきれい。コントラストが高くて、屋外でもよく画面が見える。「これ、カメラを通して画面で見た方が肉眼で見るよりきれいじゃない?」とは、モデルをしてくれた女子大生の弁。
そう。有機ELディスプレイの画面が明るくてきれいなのである。これは、手に持ったとき誰もが思うはず。試しに「iPhone 6s Plus」と並べてみよう。どちらも明るさは最大にして、屋外で見比べてみる。
ご覧のように、S7 edgeのディスプレイは屋外でも白っぽくならずに見やすい。視野角もすごく広い。これ、印象が良くなるよねえ。画面の両端が湾曲している「エッジディスプレイ」なので、エッジギリギリまで写真が表示されてるのも見栄えがする。
iPhone 6s Plusと撮り比べてみよう
でも、いくら画面がきれいでも、撮った写真がどうかはまた別なのだ。
というわけでここからが本編。iPhone 6s Plusのカメラと撮り比べてみよう。
その前に、Galaxy S7 edgeのカメラのスペックについて簡単に説明する。アウトカメラの画素数は1200万画素で、先述の通りイメージセンサーは4:3とポピュラーなものになった。
カタログに「デジタル一眼レフカメラ技術搭載」と書いてあるけれど、もちろんこのカメラは「一眼レフ」じゃない。これは「デュアルピクセル」技術のことを指している。今までのところ、デュアルピクセルを採用したセンサーを使っているカメラがキヤノンの「EOS 7D markII」「EOS 70D」というデジタル一眼レフカメラだけだった、というだけの話だ。デジタル一眼レフカメラが全てデュアルピクセルセンサーを使ってるわけではないし、一眼レフカメラのための技術ってわけでもないし、これを使えば写りが一眼レフ並みになるということでもない。最近、スマホのカメラ宣伝文句に「一眼レフ並み」とか使いすぎだよね、S7 edgeに限らず。
それはともかくとして、デュアルピクセルはひとつの画素が2つに分かれていて、片方を位相差オートフォーカス(AF)センサーとしても使うことで「AFが超高速」になるのである。「AFって何?」レベルでさっと合う。これは快適である。センサーサイズもちょっと大きめだ。
レンズは26ミリ相当とかなりの広角で、F1.7という明るさ。これはかなり明るい。レンズが明るいと、暗いところでもシャッタースピードを落としたりISO感度をあまり上げたりせずに済むわけで、ノイズやブレの抑制面ですごく有利だ。
前のモデルより大きめのセンサーと、明るいレンズのレンズはどのような効果をもたらすのか。話をもとに戻して、S7 edgeの「最大のライバル」であるiPhone 6s Plusと比べてみよう。センサーの画素数はどちらも1200万画素なので比べやすい。
いつもの作例で撮り比べ
まずは、いつもの3つの被写体を撮り比べ。ひとつめはガスタンク。
ぱっと見はどちらも良い色を出していて、差はあまりないように見える。では、等倍にしてチェックしてみよう。
S7 edgeの方が少し広角なので、等倍にするとちょっと小さくなる。しかし、それを加味しても、頑張っている。シャープネスはS7 edgeの方が強めで、ディテールもしっかり出てるのが特徴だ。いいじゃないか、S7 edge。
ふたつめは象の滑り台。
S7 edgeの方が暗部がちょっと明るくて写っていて(一部明暗逆転してるようなとこも?)、空の雲もしっかり出ている。等倍でチェックしてみるとこう。
ガスタンクと違い、今度はS7 edgeの方がディテールがもやっとしてる。なぜだ?
その理由は簡単。HDRのせいだ。HDRを「オート」にしている場合、S7 edgeは明暗差がちょっと大きいとすぐHDRを使いたがるのだ。
6s PlusのHDRは、露出を変えながら(明るさを変えながら)複数枚連写して合成するという一般的なものだが、S7 edgeのHDRは「リアルタイムHDR」といって、センサーの画素の半分で明るい写真、半分で暗い写真を撮って合成するため、画素数が実質的に半分になってしまうのだ(厳密にはもうちょっと高度な処理をしてるかもしれないけれど)。
だから、S7 edgeはディテールがちょっと甘くなるわけである。でも、このレビューでは「できるだけデフォルトの状態で撮影する」という考えでやってるので、HDRオートで撮ってるのである。
じゃあ、HDRオフで撮るとどうか。等倍での比較を交えて見てみよう。
ご覧の通り、HDRオフの法が木の枝がくっきりしっかり出ているのがわかる。その分、暗部がちょっと暗くなったり、空の一部が白飛びしてしまったりしている。
ディテールを取るか、階調の豊かさ(ダイナミックレンジの広さ)を取るか、なのだけれど、個人的には後者を取りたいな。撮った写真をSNSへ上げたり画面で見たりするのがメインなら、階調が豊かな方がきれいだもの。プリントするにしても、A4サイズくらいなら問題ないし。
ディテールをしっかり出したい、拡大表示して細かくチェックしたい、ぐわっとクロップして使いたいケースもあるので、その場合はHDRオフにして撮ればよいかと思う。
次はあずまや。どちらもHDRは自動的にオンになった。
パッと見てわかるように、S7 edgeの方が緑が鮮やかできれいに出ている。これはなかなか良いではないか。
関連記事
- 高速AFで明るく撮れる――「世界最強」を目指したGalaxy S7/S7 edgeのカメラ
Galaxy S7/S7 edgeで大きく進化した機能の1つが「カメラ」だが、従来モデルから何が変わったのか? その中核をなす「デュアルピクセルセンサー」と「明るいレンズ」を中心に、Samsung Electronicsの担当者に話を聞いた。 - Galaxy S7/S7 edgeは何が変わったのか? 防水/microSDスロット復活の経緯は?
Samsungの「Galaxy S7」と「Galaxy S7 edge」は、同社の最新技術を詰め込んだフラッグシップスマホ。S6シリーズから正統進化した2モデルだが、何が変わったのか? 韓国のSamsung本社で企画担当者に疑問をぶつけた。 - S7 edgeを体験できる「Galaxy Studio」現地レポート ダチョウ倶楽部もVRに驚き
サムスン電子のフラッグシップスマートフォン「Gakaxy S7 edge」を体験できるイベントが、東京駅前のKITTEで開催中だ。開催初日には、ダチョウ倶楽部の面々が駆けつけ、S7 edgeと「Gear VR」を“体験”した。 - パッケージにあふれる“上質感”――ドコモ版「Galaxy S7 edge」を開封&使ってみた
発売日に思わず買ってしまった「Galaxy S7 edge SC-02H」。その開封レポートと、まる1日使っての所感をお伝えする。 - 「Galaxy S7 edge」のピンクゴールドは派手? 片手での持ちやすさはどう?
「Galaxy S7 edge」のカラーはどれにするか迷ったあげく、「ピンクゴールド」を選んだ。店頭で見たときは派手な印象もあったが、実際に使ってみるとどうか。外観と片手での持ちやすさをチェックした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.