「子供」の次は「シニア」――TONEがシニア向け対応を強化:キャンペーンも実施
家族全員が使えるスマホを目指して、トーンモバイルの「TONE」がバージョンアップする。主眼は、50歳以上の「シニア層」だ。
トーンモバイルは5月26日、MVNOサービス「TONE」におけるシニア層(50代以上のユーザー)に対する取り組みを発表した。
TONEスマートフォンのソフトウェア更新
TONEスマートフォンについては、6月1日から順次ソフトウェアの更新を実施する。
IP電話:疑似的に「188番」発信が可能に
シニア層は、スマホを使い始めるに当たってネットや電話による詐欺に巻き込まれることを不安に感じているという。
そこで、詐欺の疑いがある事案などを相談できる消費者ホットラインの特別番号(特番)である「188(イヤヤ)番」に「発信」する機能を標準のIP電話アプリに実装する。
ただし、IP電話では188番を含む3桁特番の発信に対応していないため、以下の手順で疑似的に188番に発信した時と同じ効果を得られるようにしている。
- IP電話アプリで「188」と入力して発信
- GPSで位置情報を検索
- 付近の消費者相談窓口の候補を表示
- 選択すると窓口の電話番号(固定電話)に発信
この仕組みは、TONE software 2.0で追加された「104検索」とほぼ同じだ。
拡大鏡(TONE m15のみ)
シニア層に向けた新機能として、現行モデルである「TONE m15」限定で「拡大鏡」アプリを追加する。アウトカメラを使って被写体を拡大表示するというものだ。画面横に常駐している「ソフトキー」からワンタッチで呼び出すこともできる。
メール:件名と本文を音声入力可能に
トーンモバイルの石田宏樹社長によると、TONEに対する満足度調査をすると「メール」に対する満足度が意外と低いという。それを突き詰めてみると、シニア層にはソフトキーボードによる文字入力に戸惑う人が多いことが分かった。
そこで、メールアプリをアップデートし、メールの「件名」「本文」の入力画面でマイクアイコンをタップすると、すぐにGoogle音声入力を呼び出せるように改善した。一部を対象に行ったモニター提供では、ソフトキーでの入力時と比べて最大5倍の速度で文字入力できた人もいたという。
「ライフログ」の利用促進キャンペーン
TONEスマートフォンには、東京都健康長寿医療センター研究所の青胗幸利博士の提唱する「中之条メソッド」にもとづく健康管理機能「ライフログ」を備えている。この機能を使って「1日8000歩・速歩き20分」を達成すると、Tポイントが1ポイント付与されるようになっている。
石田社長によると、この機能のユニークユーザーは2万3084人で、そのうちTポイントの獲得に至ったユーザー数は1860人だという。そこで、シニア層にむけたライフログの利用促進も兼ねて、6月1日から7月31日の期間限定で、50歳以上のユーザーが目標を達成した際の付与ポイントを10ポイント(通常の10倍)に引き上げるキャンペーンを開催する。
なお、ライフログアプリも先述のソフトウェアと同様に6月1日以降にバージョンアップする予定で、バージョンアップすると1日の歩数がしきい値未満の場合に限って家族にメール通知する「簡易見守り機能」が追加される。
「はじめようスマホキャンペーン」
トーンモバイルでは、19歳以下のユーザーを対象に5月31日まで「TONE春のおトク!キャンペーン」を開催している。
6月1日からは、このキャンペーンを「はじめようスマホキャンペーン」としてリニューアルし、19歳以下の新規契約者、2回線以上の同時新規契約者に加えて50歳以上の新規契約者も対象とする。特典は従来のキャンペーンと同じで、「基本プラン月額料金(1000円)1年無料」か「端末代金1万円引き」から選択できる。
関連記事
- トーンモバイルが「TONE」のサービスを拡充 新規契約キャンペーンも
トーンモバイルの垂直統合型MVNOサービス「TONE」が、3月から順次サービスを拡充する。また、春商戦を見据えて19歳以下または複数回線の新規契約者を対象とするキャンペーンを2月24日から実施する。 - トーンモバイル、女性誌「VERY」との共同サービス開発をスタート
トーンモバイルは、ユーザーに寄り添った新機能・サービスを開発する「Co-Development Project」の開始を発表。第1弾では30代を中心とした子育て世代の女性から人気の女性誌「VERY」とコラボレーションする。 - 同じ垂直統合でも戦略は対照的――「FREETEL」と「TONE」が目指すもの
MVNOが台頭する中、あえてハードウェアからネットワークまでを一手に手掛ける異色のMVNOも登場した。FREETELとTONEは、ネットワークから端末、店舗を一手に手掛ける。実は対照的ともいえる両者の違いを読み解いていく。 - トーンモバイル、IP電話かけ放題やフィルタリングサービスを発表――新機種はどうなる?
トーンモバイルは11月30日、スマートフォン「TONE」向けの新サービスを発表。石田社長が直近の戦略を語った。格安SIMのレッドオーシャンの中で、同社はどのように生き残りを図っていくのか。 - ソフト更新で「TONE」のバッテリー持ちが約2倍に――「Pokemon GOに最適な“進化”するスマホ」(石田社長)
「TONE(m15)」に大幅アップデート「TONE software 2.0」配信開始。ファームウェアやアプリなど、さまざまな改善でバッテリー持ちが2倍に。そしてPokemon GOに最適な理由とは?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.