米Google傘下のYouTube日本法人は5月31日、子ども向けに再設計したスマートフォン/タブレット向けのYouTube視聴アプリ「YouTube Kids」を日本で提供開始したと発表した。iOSとAndroidで利用できる。
ボタンやアイコンを大きく表示して操作性を高めた独自のユーザーインタフェースを採用。視聴時間を制限するタイマー機能など、保護者向けのカスタマイズ機能も備える。
同社が想定する対象年齢は2〜10歳。ホーム画面にはYouTubeにアップロードされている子ども向けコンテンツを「アニメ・ドラマ」「おんがく」「まなぶ」「はっけん」「おすすめ」のカテゴリーごとに表示できる。
「アニメ・ドラマ」には、日本や海外の選りすぐりのアニメ、絵本読み聞かせ動画や知育動画、実写のドラマまで、ファミリーで楽しめる動画が集められています。
「おんがく」では、童謡や手遊びの歌、人気アニメのテーマソングから知育に役立つオリジナルの動画まで、楽しい音楽動画を紹介しています。
「まなぶ」では、読み書きや英語、算数、地理、理科など、お子様の学びに役立つさまざまな動画が見つけられます。
「はっけん」には、お子様の多様な好奇心に応える動画が集められています。新しい趣味を見つけたり、興味のある分野についてより深く学んだりすることで、お子様の世界が広がっていくでしょう。(保護者向けサイトより)
YouTube Kidsで表示されるのはYouTubeに公開済みの子ども向けコンテンツ。YouTube Kids独自のコンテンツなどが用意されるわけではない。現時点では、小学館の「コロコロチャンネル」や、講談社の「キッズボンボン」、ベネッセコーポレーションの「しまじろうチャンネル」、東映アニメーションの「公式チャンネル」や「プリキュアチャンネル」、個人の人気コンテンツクリエイター「Kan & Aki's CHANNEL」などが含まれるという。
YouTube Kidsは、既に日本を含めた世界28カ国、7言語でスタートしているサービス。アプリを通した動画の総視聴回数は300億回、1週間のアクティブユーザーは800万人にのぼるという。
なぜ子ども向けにアプリを用意した?
YouTube Kidsをリリースする同社の狙いは、子どもがYouTubeで体験する質の向上だ。YouTubeの家族向けコンテンツは最も増えているカテゴリーの1つだという。米YouTubeのマリーク・デュカードさん(グローバル Family&Leaming コンテンツディレクター)は次のように話す。
「今の子どもたちはテレビやPCに境界線を感じておらず、スクリーンをシームレスに移動できる。非常に好奇心が強く、さまざまなコンテンツを見て積極的に学ぶ傾向もある。動画からインスピレーションを得て、今度は自分達が何かを作ろうと思うように──だからこそ、YouTube Kidsを作った」(デュカードさん)
「子どもたちの創造力や好奇心を刺激するような動画を視聴できるように、YouTubeでの経験をよりよいものにしたい」(デュカードさん)
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