画面で指紋認証、デュアルカメラ、富裕層向けスマホ 中国の最新モバイルトレンド:MWC上海2017(2/3 ページ)
6月27日〜7月1日に開催された「Mobile World congress Shanghai 2017」に出展している多くが中国企業。今や世界最大のスマホ生産国ともいえる中国の現在を知るうえでは、注目すべき展示も多かった。筆者が気になったデバイスやサービスを紹介していこう。
日本発売を期待したい「honor 9」
Huaweiのブースは、招待客や事前にアポイントを入れてある関係者のみが入場できる体制で、メディアが取材できる時間帯にも制約があった。
ただし、誰もが見られるオープンの展示コーナーもあり、日本でも発売中のHUAWEI P10シリーズや、MateBookシリーズなどが展示されていた。そこには、中国で発表されたばかりという「honor 9」もあった。
honor 9は、5.15型のフルHDディスプレイを搭載。honor 8と同じく背面にデュアルレンズのカメラを搭載しているが、2000万画素+1200万画素に画素数が向上。背面パネルに曲面ガラスを施すなど、デザインの質感がグレードアップしていた。人物をいろいろな向きで撮影して、3D画像にしたり、動くアバターを作成できたりといった、遊べる機能も強化されていた。これらも、中国の若いユーザーの需要に応えてのことだろう。
honor 9の中国での価格は2299元(約3万8000円)とのことで、HUAWEI P10よりも格段に安いことも特徴。honorシリーズは日本では楽天モバイルが独占販売しており、このhonor 9が発売されることも期待したい。
高画素インカメラとデュアルレンズは当たり前
中国メーカー製のハイエンドスマホは「デュアルカメラ」と「高画素インカメラ」がトレンドになっていた。中国では、自撮りの人気に加えて、ライブ配信もブームになっており、日本以上にインカメラの画質にこだわる人が多いようだ。
Gionee(金立)が5月に発表したばかりの「S10L」は、アウトカメラが1600万画素+800万画素、インカメラが2000万画素+800万画素という、両面にデュアルカメラを備えたスマホだ。インカメラ側は、いわゆる“美人モード”で撮れるほか、広角レンズで大勢でのセルフィーにも適しているという。
なお2016年、中国でのシェアが1位になり、世界シェアも4位に達したことで話題になったOPPOは、最新モデルの「R11/R11 Plus」のみを展示。背面が2000万画素+1600万画素のデュアルカメラを搭載。インカメラは2000万画素で、「前でも後ろでもきれいに撮れる」がセールスポイント。5.5型のフルHDディスプレイを搭載するR11は、厚さが6.8mmと薄く、シンプルなデザインや操作性も多くの人に受け入れられる印象を受けた。
中国でのシェアが3位(ちなみに2位はHuawei)のVivoが、最新フラグシップとして展示していたのが「X9/X9 Plus」。背面は1600万画素カメラが1つだが、前面に2000万画素と800万画素のデュアルカメラを備えていることがセールスポイント。自撮りした画像の背景ボケを後から調整できるのが利点だ。
関連記事
- 中国シェア1位を誇るOPPOの最新モデルは「最強カメラスマホ」
OPPOは2017年6月9日、中国・深センで新製品発表会を開催し「R11」「R11 Plus」の2機種を発表した。デザインのブラッシュアップとカメラ機能を強化し、販売数のさらなる上乗せを狙っている。2機種のファーストインプレッションをお届けする。 - 自社ブランドスマホで売り上げ増を狙う、中国の大手家電量販店
中国大手の家電量販店が自社ブランドのスマートフォンの販売に乗り出す。価格も手ごろな製品は中国の消費者の心をつかむことができるだろうか? - 「ベゼルレス」「ライカカメラ」「最強セルフィー」――2016年の中国スマホを振り返る
2016年も各社からさまざまなスマートフォンが登場した中国市場。各メーカーの最新モデルはどれが最強なのか。各社の動向を探ってみた。 - 中国女子スマホの最新トレンド 「さりげない高級感」と「超高画質セルフィーカメラ」
群雄割拠の中国スマホメーカー。華やかなデザインとセルフィー(自撮り)機能を充実させた女性向けモデルの競争も激しい。「中国女子スマホ」の最新トレンドを探った。 - スマホシェア世界4位に食い込んだOppo、Xiaomiにない強さとは?
スマホの世界シェアでApple、Samsung、Huaweiに次ぐ4位に食い込んだOppoとはどんなメーカーなのか。かつての勢いを失った振興メーカーの“顔”、Xiaomiとの違いに迫った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.