ワイヤレス充電対応で中身が大きく変わった「iPhone 8/8 Plus」:バラして見ずにはいられない(3/3 ページ)
「iPhone 8/8 Plus」はワイヤレス充電に対応した初めてのiPhone。これに伴い、中身も大きく変更されている。また、一部のiPhone 8/8 Plusでバッテリーが膨張するという報告があったようだが、この原因についても考察したい。
バッテリー容量が減った
iPhoneのバッテリー容量は巨大ではないが、毎年少しずつ増えてきた。しかしiPhone 8/8 Plusでは減少した。iPhone 8のバッテリー容量は1821mAhでiPhone 7より約7%減り、iPhone 8 Plusは2691mAhでiPhone 7 Plusより約7%減った。
容量減少には2つの理由があるといわれる。1つはバッテリーの原料であるリチウムやコバルトといった材料価格の高騰だ。例えばコバルトは2016年比で2倍以上になった。iPhoneのように数億台単位で生産される製品だけに、原材料費高騰をしのぐための容量カットしたという見方もあるが、一方で、これだけの数量になると原材料費の高騰は無視できるはずという見方もある。
もう1つ、バッテリー容量減少の理由として論じられているのは、2016年にSamsung Electronicsの「Galaxy Note7」で発生した発火事故の影響を受け、バッテリーの性能を控えめにしたというものだ。2017年のiPhoneは急速充電にも対応し、バッテリーへの負荷が増えた。全ての性能アップを同時に実現するよりも、部分的な機能アップにとどめて、iPhone 7/7 Plusと稼働時間が大きく変わらない程度に容量を減らしたのかもしれない。
iPhone 8/8 Plusのバッテリー膨張は不具合か?
iPhone 8/8 Plusの発売直後、まだ使っていないiPhoneのバッテリーが膨張したとの報道があった。Galaxy Note7のバッテリー問題を思い出した人も多いだろう。しかし今回のバッテリー不具合はNote7のケースとは本質的に異なる。バッテリー不良をゼロにすることは事実上不可能といわれており、不具合発生時に備えた複数の安全装置が組み込まれている。
バッテリーパックの膨張は安全装置の1つであり、異常を起こした箇所を局限化する。さらに防爆弁なども搭載され、さらなる不具合に備えている。バッテリーの膨張は安全装置が正常に作動したことを示している。
バッテリーの不具合とは、これらの安全装置が作動せず、または作動しても制御しきれず、燃えてしまうことである。バッテリーは花火のごとく、一度発火すると燃え尽きるまで燃焼する。こうなるとユーザーにできるのは、水をかけ続けることくらいだ。バッテリー不具合の有無は究極的には「燃えるか燃えないか」で区分できるだろう。
一部の調査結果は、今回のiPhoneのバッテリー膨張の原因がバッテリー本体ではなく、メイン基板とバッテリーを接続する部分に起因する可能性を示している。
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