ロイヤルHDが“完全キャッシュレス”の店舗をオープンした理由:モバイル決済の裏側を聞く(2/2 ページ)
ロイヤルホールディングスの新しい飲食店「GATHERING TABLE PANTRY」は、現金を使えない完全キャッシュレス化を導入。同社の吉田弘美氏は「キャッシュレスを広げたいわけではない」と話す。どういうことか?
「支払えない」トラブルは起きていない
GATHERING TABLE PANTRYの場所に「馬喰町」を選んだのは、泉氏によると、新しい取り組みをするR&D店舗という性質上、都心から少し離れた場所の方が好都合だったためだそうだ。馬喰町といえば問屋街のイメージだが、最近はマンションも増えており、休日は家族連れで訪れる人も多いそうだ。ホテルもあるので外国人の客層も見られるそうだ。
客層が増えるほど心配になるのが、現金しか持っていない人が入店してしまうというトラブルだが、この点の対策も万全だ。GATHERING TABLE PANTRYに入ろうとすると、「キャッシュレスチャレンジのご案内」と書かれた看板が目にとまる。ここに「×現金」と書かれているので、現金を使えないことが分かる。
看板を見ずに入店することもあり得るので、店員が出迎えるときに、現金が使えない旨を説明する。さらに、注文を取るときにも念押しするので、合計3回は伝える形に。これだけ念入りに説明しているので、「今のところ大きなトラブルは起きていない」(泉氏)という。「ニュースになった当初、ネット上では賛否両論ありましたが、実際に来ている人は、既にキャッシュレスの生活をしている人が多く、それほど抵抗はなさそうでした」(同氏)
一方で、QRコードを使った支払い(LINE Payや楽天ペイ)や、ビットコインでも支払いたいという要望も挙がっているそうだ。決済手段を増やすことは前向きに検討しているとのこと。
店員にとってもユーザーにとってもメリットの大きい「完全キャッシュレス」。そこから得た知見を生かし、既存のグループ店舗に広がることにも期待したい。
店舗概要
- 店舗名:GATHERING TABLE PANTRY 馬喰町店
- 所在地:東京都中央区日本橋馬喰町1-5-4 中庄ビル1階
- 電話番号:03-3527-3503
- 営業時間:平日15時〜22時 土日祝日13時〜21時30分
- 店舗面積:35坪
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