公衆無線LAN利用「セキュリティ不安」なのに「対策していない」――「ちょっとだけなら大丈夫」の気持ち
公衆無線LAN利用者の53%が「セキュリティが不安だ」と思う一方、実際に接続する際には31.5%の人がセキュリティ対策をしていないことが、マカフィーとMMD研究所の調査で分かった。
公衆無線LAN利用者の53%が「セキュリティが不安だ」と思う一方、実際に接続する際には31.5%の人がセキュリティ対策をしていないことが、マカフィーとMMD研究所の調査で分かった。
公衆無線LANの利用者1556人に「公衆無線LANの利用に関して思うこと」(複数回答可)を聞いたところ、「接続できる場所が少ない」(53.4%)が最多で、次に「セキュリティが不安」(53.0%)が多かった。「速度が遅い」(27.6%)、「ログインする必要があるものは面倒」(26.7%)「携帯回線のパケット通信量を削減できて良い」(19.3%)と続くが、上位2つに比べれば割合が小さく、接続場所とセキュリティに関して不満が抱いている人が多いことが分かる。
一方で、「公衆無線LANに接続するに際して気を付けていること」(複数回答可)を聞くと、「セキュリティ対策していない/意識していない」と答えた人が31.5%に上り、「対策/意識している」人の中でも「ログインを必要としない公衆無線LANの利用はしない」と答えた人が12.6%、「接続するアクセスポイントの暗号化種類を確認し、それによっては接続をやめる/重要な情報は入力しない」と答えた人が12.3%にとどまるなど、十分なセキュリティ対策をしている人は多くないことが分かる。
「セキュリティが不満」なのに対策意識が欠けていることについて、調査結果をまとめたMMD研究所の三崎夏子さんは「設置する側がユーザー視点に立って、ユーザビリティの改善に努めることはもちろん大切だが、ユーザー自身が自分の身を守るための手段を知る必要がある」という。
また、公衆無線LANの利用理由を聞くと「携帯電話回線のパケット量を節約するため」(62.3%)がトップであるのに対し、「パケットの節約」を実感している人は約2割にとどまっていることも指摘している。
「現在の公衆無線LANの立ち位置は、『便利なものだと思うので、あったら使う』というポジションなので、不満はなかなか表層化しない」「ちょっと困ったときに使うサービスであるからこそ『ちょっとだけなら大丈夫』という気持ちでセキュリティへの意識が低いまま使ってしまう」(三崎さん)
国が公衆無線LANの拡大を推進していく中、現状の公衆無線LANのこうしたポジションを脱するためには「安心・安全、そして快適に使えるサービスを目指し、そのために提供側とユーザー両者が意識を変える必要がある」と述べた。
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