ディスプレイに搭載できるガラスの指紋センサー JDIが2018年度中に量産
JDIが静電容量式のガラス指紋センサーを開発。指紋の凹凸による静電容量の変化を検出するもの。2018年度中の量産出荷を予定している。
ジャパンディスプレイ(JDI)は1月23日、ディスプレイに搭載可能なガラスの指紋センサーを開発したことを発表。2018年度中の量産出荷を予定している。
スマートフォンやデジタルカメラの液晶で使用している「Pixel Eyes」のタッチ入力技術を応用したもの。Pixel Eyeには、液晶に指が触れたときの静電容量の変化を検出する機能がガラス基板上にあり、静電容量の変化をもとに、どこに指が触れているかを検知する。
この技術をさらに進化させ、指紋の凹凸による静電容量の変化が検出可能に。透明なガラスの上に、静電容量式指紋センサーを搭載できるようになった。センサーサイズは8×8mm(0.45型)で、大型化や小型化も可能。
現在使われている指紋センサーはシリコン製が主流だが、ガラス製ならディスプレイと一体化できる。JDIは「スマートフォンやノートPC向けで一般的に使用されている、シリコン製指紋センサーの置き換えが可能」としており、JDIの指紋センサーをディスプレイに搭載したスマートフォンの登場も期待される。
JDIが持つフレキシブルディスプレイの技術を活用し、より薄く、デザイン自由度の高いセンサーの開発も視野に入れている。
現在、スマートフォン向けの指紋センサーは、ホームボタン、サイドキー、背面などに搭載されているが、ディスプレイと一体にできれば、センサー用のスペースを外側に確保する必要がなくなり、デザインの自由度が増す。また「iPhone X」のように、ホームボタンのないモデルへの搭載も容易になる。
ディスプレイや本体内部に指紋センサーを搭載する技術は、Qualcommが超音波を使った「Sense ID」、Synapticsが「Clear ID」を開発している。
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