「M」のような“世の中にない”スマホは今後も出す ドコモ森氏に聞く、2018年の端末戦略:Mobile World Congress 2018(2/2 ページ)
2018年に入って2カ月が過ぎたが、ドコモはどんな端末戦略を考えているのか。直近では2画面スマホ「M」が話題を集めているが、このような“変わり種”は今後も登場するのか? ドコモのプロダクト部長、森健一氏に話を聞いた。
MVNOとの大きな違いは「アフターサービス」
―― MVNOが徐々に浸透し、ユーザーはSIMフリーのスマホを選ぶこともできます。その上で、ドコモのスマホを選ぶメリットは?
森氏 大きな違いはアフターサービス。ドコモの端末であれば、たとえ故障したとしてもドコモショップに持ち込んでいただいたり、コールセンターに連絡をいただいたりすれば対応できます。例えば「ケータイ補償サービス」など、中断することなくご利用いただける万全の体制を期しています。
―― Y!mobileやUQ mobileなど、いわゆる“サブキャリア”が加入者を増やしているとも聞きますが、対抗策を講じる予定はありますか?
森氏 いろいろな市場があると思いますし、直接対抗するというわけではありませんが、例えばdocomo withのように、長く使っていただくというコンセプトで商品を出したことは、競争力になっていると思います。
いろいろな市場があると思うので、直接対抗するわけではないのですが、例えば、docomo withみたいに、長く使っていただくというコンセプトで商品を出したことは、競争力になっていると思います。
―― ドコモはeSIM対応のタブレットを出していますが、今後、eSIM対応のスマホを出す予定はありますか? 海外渡航時などにキャリアを切り替えて使えると便利だと思うのですが……。
森氏 タブレットでeSIMをやらせていただいて、日本市場では100万台に来ていると思います。店頭のオペレーションも習熟していきました。ですが、スマホにeSIMを入れるとなると、キャリアスイッチも簡単にできてしまうので……。スマホに入るのは、もう少し先になるのではないかと思います。逆に、ベンダーさんにとっても、そういうものを出してしまうと、キャリアチャネルに対して売りにくくなると思います。
5Gは“嵐の前の静けさ”
―― いよいよ2019年から5Gの商用サービスが始まる見通しです。5Gに向けての端末戦略で考えていらっしゃることはありますか?
森氏 ファーストローンチする端末をどういう形状にするかなど、今ちょうど話を進めているところです。ただ、全体の印象としては、「5G」という言葉はいっぱい出てくるが、具体的な端末の話は表に出てきていない。ある意味 “嵐の前の静けさ” そのように感じます。
―― 今の4G LTEに満足している人も少なくないようですが?
森氏 5Gでは、スマホ単体ではなく、AIやIoTなど、いろんなものと組み合わせながら、新しい価値観を与えていく。そういう世界をベンダーさんと一緒に作っていく。アンビエントというか、無意識の快適というか、そういう世界観をどうやって、一緒に作っていけるかが課題だと感じています。
―― MWCなどのイベントではスマホに話題が集中しますが、タブレットの動向はいかがですか?
森氏 グローバルの動向に比べると、日本は非常にタブレットが売れています。それは、キャリアが新しい使い方を提案していることもあります。例えば、フィーチャーフォンと組み合わせて使ったり、ドコモの場合は「dマガジン」など、お客さまに価値を訴えやすいコンテンツもあります。それもお客さまに受け入れられている理由ではないかと思います。
5Gで大容量・高速になっていく中で、大きな画面できれいない映像を楽しみたいというニーズも増えてくると思います。将来的には、折りたためるタブレットも出てくるのでは? 現状のタブレットのネックになるのはポケットに入れづらいこと。画面が大きくて持ち運びやすいのが理想ですよね。
―― 最後に、ドコモのユーザーへのメッセージをいただけますか?
森氏 ハイエンドからミッドのものまで、全てのユーザーが欲しいものが必ず見つかるラインアップを今年もそろえます。その中に、ちょっと新しいもの、少し変わったもの、そうしたものにもチャレンジしていきますので、お楽しみいただきたいです。
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