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インタビュー

初代「R」の不満も解消 「AQUOS R2」で目指した“快適さ”開発陣に聞く「AQUOS R2」(後編)(2/2 ページ)

シャープの新たなフラグシップスマートフォン「AQUOS R2」の開発者インタビュー。後編ではディスプレイやパフォーマンスについて話を聞いていく。「AQUOS R」では省かれた機能も、ユーザーからの熱烈な要望があって復活した。

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背面に3Dガラスを搭載

AQUOS R2
IoT通信事業本部 デザインスタジオ シニアデザイナー 芝田博和氏

 続いてデザインについて見ていく。フレームの中心部を突起させることで手にフィットするようにした「エモーショナルエッジ」をAQUOS Rから継承しており、コーナーに行くに従って突起が緩やかになる。背面には3Dガラスを採用し、フチが適度にカーブしているので手に優しい。さらにR2のフレーム自体にもカーブをかけており、横から見ると、あたかも端末全体が弧を描いているように見える。

AQUOS R2
フレームを山なりにすることで、手にしっかりフィットする「エモーショナルエッジ」。コーナーに行くにつれて突起は緩やかになる
AQUOS R2
アルミフレームにカーブをかけることで、端末全体が弧を描いているように見える

 背面がガラスなのもAQUOS Rとの大きな違いだ。IoT通信事業本部 デザインスタジオ シニアデザイナーの芝田博和氏によると、ガラスの表面に金属のコーティングを施したことで、強く反射して、滑らかな光沢感が出るという。もちろん「フラグシップ機にふさわしい高級感」(芝田氏)が得られるという理由もある。ちなみにシャープのスマートフォンで3Dガラスを使うのは初めてとのこと。表はCorning Gorilla Glass 3、背面はCorning Gorilla Glass 5を採用して強度も確保した。

AQUOS R2
フチが曲がっている3Dガラスを採用
AQUOS R2
左がAQUOS R、右がAQUOS R2。背面が樹脂のRと比べると、R2は奥行き感があるように見える

 本体カラーは、プレミアムブラックとプラチナホワイトの2色は3キャリア共通だが、キャリア独自のカラーとして、ドコモ版はコーラルピンク、au版はアクアマリン、ソフトバンク版はローズレッドをそろえた。芝田氏によると、女性からの支持も得られるよう、女性に好まれる色を中心に選んだという。アクアマリンは2018年のファッションにおけるテーマカラーでもある。

AQUOS R2
左から、3キャリア共通のプレミアムブラック、プラチナホワイト、au向けアクアマリン、ドコモ向けコーラルピンク、ソフトバンク向けローズレッド

復活した2つの機能

 AQUOS R2では、AQUOS Rで省かれた2つの機能が復活している。1つが「のぞき見ブロック」。かつては「ベールビュー」とも呼ばれていた機能で、斜め方向からの画面を見にくくする機能だ。「ディスプレイの視野角が広すぎて、のぞき見ブロックは省いた」(佐藤氏)が、「なぜ搭載していないのか」という声が、思いのほか多かったという。

AQUOS R2
画面に模様を付けることで、斜め方向から見にくくする「のぞき見ブロック」

 「ベールビュー自体も搭載してから長い時間がたち、もうこなれた技術かな、なくなってもそれほど影響ないかなと思うところもありました」と佐藤氏は振り返るが、熱烈な要望があることが分かったので、復活させることにした。「広い視野角はそのままに、アルゴリズムをチューニングすることで搭載にこぎ着けました」と佐藤氏。

 もう1つが「コンテンツマネージャー」だ。コンテンツマネージャーは、内蔵ストレージやmicroSDに保存した画像、動画、音楽、ドキュメントなどの各種データを管理できるアプリ。最近のスマートフォンAQUOSは、極力プリインストールアプリを減らしており、その一環でコンテンツマネージャーも省かれていた。

 ファイル管理アプリはGoogle Playなどで多数配信されているため、搭載しなくても問題ないと考えたのと、「OSバージョンアップを約束していく中で、独自アプリが足を引っ張ることがある」(小林氏)という理由で外したが、これもユーザーから疑問の声が多く挙がったという。「ファンイベントでも、コンテンツマネージャーがないのは信じられないといった声があり、暴動が起きるんじゃないかというほどでした」と小林氏は苦笑いする。

AQUOS R2AQUOS R2 画像や動画をまとめて表示する「コンテンツマネージャー」。外部メモリのデータを本体に移せるので、機種変更時のデータ移行にも役立つ

 コンテンツマネージャーはフォルダがないシンプルなUI(ユーザーインタフェース)が特徴で、本体とmicroSDのデータを切り替えたり、本体とmicroSD間でデータを移したりできるのが好評だという。AQUOS R2では、Android標準の「ファイル」アプリをカスタマイズする形でコンテンツマネージャーを復活させた。


 動画専用のカメラが注目を集めやすいAQUOS R2だが、ディスプレイ、操作感、放熱対策、デザインなど細部にも工夫が凝らされていることが分かる。購入を検討している人は、ぜひ店頭などで実機に触れ、シャープが目指した快適さが本物であるかを確かめてほしい。

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