“超高感度”デュアルカメラはだてじゃない! 「Xperia XZ2 Premium」のカメラをじっくり試す:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/4 ページ)
ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Premium」は、Xperiaシリーズで初めてデュアル構成のアウトカメラを採用した。デュアルカメラが主流になりつつある昨今においてある意味「最後発」ではあるが、「超高感度」で差別化を図っているのである。
ボディーは「重い」が撮影は「軽快」
少し長くなったけれど、いろいろ撮りつつ、カメラの基本性能の話を。
まず、手に持った第一印象は「ズシッ!」。大きいというより、重さを先に感じた次第。Xperia XZ2 Premiumの重量は約236g。これより大画面の「Galaxy Note8」は約190g、ちょいと重めの「■□iPhone 8 Plus■」でも約202gなわけで、その差は30〜40gなのだけれど、片手で持つとかなりの違いを感じる。「片手で気軽に撮影」っていうのは少し難しそうだ。
本体側面にはカメラキーがあり、これを長押しするといつでもカメラが起動する。これは良い。
もちろん、カメラキーはシャッターボタンとしても使える。
ディスプレイの解像度は4K(2160×3840ピクセル)で、HDR(高ダイナミックレンジ)表示に対応している。非常に高精細で素晴らしいのだが、晴天下だとちょっと暗い。これは映像コンテンツの視聴向きかな。
では、恒例のガスタンクから撮ってみよう。
プレミアムおまかせオートで「風景」と判断。青空が強調され、よりくっきりとした写りになる。
青空が鮮やか。コントラストも高くて実にカッコ良い写り。さすが。
とても色鮮やかでクッキリとしている。クッキリしすぎのような気もするくらい。
ちなみに、プレミアムおまかせオートの場合、画像サイズは最高で17M(約1700万画素:4736×3552ピクセル)になる。センサー自体は約1900万画素なのだが、超高感度撮影用のセンサーとのバランスを撮ったのだろう。
使う分には何の問題も無い差だ。
フォーカスが微妙なときは、タッチオートフォーカス(AF)を使う。
タッチするとそこにフォーカスが合い、明るさ(露出)と色合い(ホワイトバランス)を調整できる。これは便利。
ということで風鈴の透明感を出すべく、プラス補正をかけて明るくしてみる。
そして撮影したのがこちら。
設定で「タッチ追尾フォーカス」をオンにすると、タッチAF時の挙動が変わる。
被写体と思われるエリアに四角い枠があらわれ、それが被写体を追う。これがなかなか楽しい。
水槽の金魚をタップすると、しっかりとその動きを追いかけてくれた。
こういう動く被写体は、連写してベストカットを後から選ぶのが良い。Xperia XZ2 PremiumのAF+連写は、たぶんスマホ最強。10コマ/秒と、速度も速い。
上の写真はISO500でシャッター速度は1/100秒。動体撮影なので、シャッタースピードが速めにセットされたのだろう。賢いのだ。
ただ、タッチ追尾フォーカス時に露出補正のスライダーが出てこないことは残念。
マクロ撮影時はタッチAF必須だ。
ピントがちゃんと合うと、実にしっかりしたきれいな絵を見せてくれる。ディテール描写もさすが。
最近のハイエンドXperiaではおなじみの「先読みオート撮影」も搭載している。
先読みオート撮影は、シャッターを切る前の写真を先んじて最大4枚まで撮っておくというもの。
例えば、こんな時に役に立つ。
ネコが上を向いて「にゃあ」と鳴いたので慌ててシャッターを切ったとすると、通常なら“鳴いた瞬間”の写真は撮れない。しかし、先読みオート撮影のおかげで、口を開けた瞬間を撮影できた。
この機能は素晴らしい。
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