私たちのスマホはどのようにして届く? 物流の舞台裏に迫る:特集・ITで我慢をなくす「流通テック」(2/3 ページ)
私たちの生活に欠かせないスマホやケータイ。どこからどのようにして届くのか、考えたことがあるだろうか。届くまでに繰り広げられる「ドラマ」を取材した。
工程2:検品・梱包
在庫の引き当てが完了すると、検品と梱包(こんぽう)の作業に移る。
検品作業では、引き当てた在庫や一緒に封入する物(オンラインショップの注文品ならSIMカードや冊子など)が注文内容と合っているかどうかを確かめる。
正しければ梱包箱を組み立て、商品・封入物を箱に入れて、発送用の伝票を印刷する。
KDDIの場合、検品段階で梱包箱を組み立て内容物と伝票を入れ、その後、梱包段階で箱を閉めて伝票を貼り付けるようになっている。ある意味で検品を二重化している。商品のサイズはデータベース化されており、内容物に応じて適切なサイズの梱包箱を組み立てるように指示が出る。スタッフが箱のサイズに悩まずに済むのだ。
KDDIの梱包作業で大きな威力を発揮するのが、先述のFRAPSに組み込まれた「マージソータ」と呼ばれる設備だ。
ソータ(ソーター)は、荷物の仕分けをする装置。これ自体は珍しいものではなく、物流センターに広く普及しており、荷物の仕分けの省力化に貢献している。
マージソータの「マージ(Merge)」は「統合」という意味。通常のソータに同一配送先の荷物をまとめる機能を追加したものだ。複数の注文(配送)でも、配送先の住所が同一であれば梱包を行う前にまとめられるので、通常なら注文ごとに別々になる箱を必要最低限の量まで減らせる。
配送に使う箱を削減できることはもちろんだが、荷ほどきするショップ・代理店の負担を大幅に軽減できる点でも大変大きなメリットがあるシステムだ。
ドコモも、東京都江東区に新たな物流センターを設置し、梱包箱の削減とショップでの業務量負荷軽減を図っている(参考リンク:PDF形式)。
資源の節約と物流に関わる人たちの負荷軽減は大きく進んでいる。
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