IIJ、フルMVNOの個人向けIoTサービスを提供 法人向けタイプIとの違いは?
IIJが、個人向けのフルMVNOサービスを提供する。年額2400円で毎月100MBの「いちねんプラン」と、上りのみ高速の「上り高速プラン」を利用できる。「新しいIoTの使い方を見つけてほしい」という思いもあるそうだ。
IIJ(インターネットイニシアティブ)が、IoT利用を想定した通信サービス「IIJmio IoTサービス」を8月30日に提供開始した。
IIJが保有する「HLR/HSS(加入者管理機能)」を活用した「フルMVNO」サービスの一種。法人向けに2018年3月から「タイプI」を提供しているが、IIJmio IoTサービスは個人に向けたもの。SIMロックフリー端末で利用できる。
フルMVNOでは、従来のMVNOでは提供できない、自由度の高いプランを自社で提供できるようになる。今回のIoTサービスも、そんなフルMVNOのメリットを生かしたものだ。
毎月100MBの通信を年額2400円(税別、以下同)で利用できる「いちねんプラン」、上りのみ高速の通信ができる「上り高速プラン」を用意する。上り高速プランには、月額680円で3GBのSプラン、月額1200円で6GBのMプラン、月額2180円で12GBのLプランの3種類がある。通信速度はいちねんプランが下り最大788Mbps、上り最大50Mbps、上り高速プランが下り最大48kbps、上り最大50Mbps。
月間容量を超過すると、いちねんプランは通信ができなくなり、上り高速プランは低速になる。高速通信を使うためのクーポンチャージには対応しているが、IIJmioのように、高速通信を手動でオン/オフにすることはできない。SIMはマルチサイズに対応しており、標準SIM、microSIM、nanoSIMを使える。
タイプIのようにユーザー自身でサスペンド(通信の中断)はできず、国際ローミングにも現時点では対応していない。タイプIでは10GB〜50GBと比較的容量の大きなプランが多いが、個人向けは安価で低容量のプランが中心となっている。上り高速プランは、GPSトラッカーや監視カメラでの利用に向いている。
同サービスを提供する狙いについて、IIJは「近いうちに個人向けのIoTデバイスは増えてくると見ており、そのときにお使いいただける通信方法の一つの選択肢としてご用意しました」と説明する。現時点では、モバイル通信に対応した、かつ個人で購入できるIoTデバイスは少ないが、「開発側のエンジニアの一つの思いとしては、ユーザーの方にいろいろと遊んでいただき、新しいIoTの使い方を一緒に見つけていければ」という思いもあるとのこと。
関連記事
- IIJの「フルMVNO」が始動 まずは法人、訪日外国人向け メリットは?
IIJが3月15日にフルMVNOサービスを開始する。まずは法人向けに「IIJモバイルサービス/タイプI」と、訪日外国人向けの「Japan Travel SIM」も提供する。フルMVNOで何が変わるのか? 今後のサービスは? - 「フルMVNO」のウェーブ到来! IIJmioの新生「JAPAN TRAVEL SIM」を試す(セットアップ編)
インターネットイニシアティブ(IIJ)が、自ら加入者管理機能を持つ「フルMVNO」サービスを開始。その個人向け第1弾商品は、訪日旅行客の利用を想定したプリペイドSIMカードです。早速購入してセットアップしてみました。【一部訂正】 - キャリア名が「IIJmio meeting」に IIJの特別仕様版 フルMVNO SIMを使ってみた
IIJが、フルMVNOのプリペイドSIMとして「JAPAN TRAVEL SIM」を販売している。ピクトエリアに「IIJ」と表示されるのが特徴。その特別仕様版として、ピクトエリアに「IIJmio meeting」と表示されるSIMを入手したので、早速使ってみた。 - IIJが「フルMVNO」で目指す世界 MVNOの正常進化ではなく、ビジネスモデルが変わる
インターネットイニシアティブ(IIJ)が、3月15日に「フルMVNO」のサービスを開始した。フルMVNOで目指しているのはどういった世界観なのか。フルMVNO化を決めた経緯や、今後の展望などを担当者に聞いた。 - 「フルMVNO」だからこそできること IIJ大内氏が技術面から徹底解説
IIJは、4月14日にファンミーティング「IIJmio meeting 19」を開催。エンジニアの大内宗徳氏が、フルMVNOで可能になった新たな機能を技術的から解説した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.