より便利に進化! 「iOS 12」の写真アプリをチェック:荻窪圭のiPhoneカメラ講座(1/2 ページ)
最新の「iOS 12」のカメラアプリは、iOS 11から大きな変化はない。しかし、撮った写真を見る写真アプリはより便利に進化している。チェックしてみよう。
iPhoneが日本で発売されてから10年。早いものですな。「iPhone 3G」のカメラ機能はお世辞にも良いとはいえなかったし、当時すぐ飛びついた人はそういなかったから、多くの人がiPhoneを使い、写真を撮るときのファーストチョイスがiPhoneになっていったのは「iPhone 4s」以降かなあ。コンパクトデジカメの売れ行きががくんと落ちてくるのが2011年くらいからだから。
で、何の話かというと、そろそろみんなiPhoneで撮った写真がかなりたまっているよね、と。
「そうそう。写真あるから見せるね」と言って、写真アプリを起動して指をしゅんしゅん動かして高速スクロールして、目視と勘で探し始めたりするのだけれど、写真の枚数が増えるほど効率が悪くなるし、何より疲れる。
今どきのカメラの課題は「いかに撮りたいときにすぐきれいな写真を撮れるか」よりも、むしろ「撮りためた写真から必要な1枚をすぐ取り出せるか」になっているのだ。
そこに手を付けたのが、GoogleとApple。Googleは「Googleフォト(Google Photos)」で、Appleは「iOS 10」の写真アプリで、古い写真を埋もれさせない工夫を始めたのだ。
ここでやっと「iOS 12」の話。本当は、9月に登場したiOS 12のカメラ関連機能の話をする予定だったのだけれど、カメラ機能自体は「iOS 11」ほとんど変わっていない。そこで、その分写真アプリの話をしようと思った次第。
たまった写真を探しやすくなったiOS 12
何でiOS 12の写真アプリの話をしようと思ったのか。それは写真を探したり見つけたりする機能が強化されたからだ。
まず、写真アプリのメニューが変わった。iOS 11のやつと見比べると何がどうなったのかすぐ分かる。
一番下、「メモリー」の代わりに「For You」が入り、「共有」が消えた(共有機能自体はあるけれど、独立メニューではなくなった)。そして、新しく「検索」も入っている。
「For You」は、サービス側から「こんな写真ありましたけど、どうでっか?」という提案の集合体。まあ、便利なのかお節介なのか微妙なところあるけれど、こういう機能、最近のギャラリー系アプリの傾向ですな。能動的に写真を探すのではなく、探して思い出させてくれる機能。
おすすめの写真も出してくれるのだけれど、どういう基準で出しているのかはよく分からない。でも、忘れていたことを思い出させてくれるのは良いことかもしれないこともないこともないことも……まあ、見たくないものを見せられてあれこれよみがえって……って人は、For Youをタップしなければいいわけで。
暇なときに昔撮った写真や行った場所やもろもろを思い起こしたいなぁ、ってときはタップしてみる、ということで良いかと思います。
整理されて分かりやすくなった「アルバム」
アルバム機能は分かりやすく整理された。
「マイアルバム」「共有アルバム」「ピープルと撮影地」そして「メディアタイプ」と順番に並ぶようになったのである。
わたしが一番使うのは「撮影地」。
「いつ撮った写真か」は思い出せなくても、「撮った場所は何となく分かる」とか「あそこはこういう所でさあ」的な感じで地図から写真を探せるのはすこぶる便利。
拡大していけば、かなり細かいとこまで絞り込めるし。
現在地から写真を選べるのもポイント。今「会津若松」にいるのだけど、現在地をタップすると、会津若松で昔撮った写真も出てくる。
「あそこに行ったのはいつだっけ?」ってときも、撮影地から写真を探して、それを撮った日付を見るとすぐ分かる。
とりあえず何でも気になったものは撮っておけ、位置情報はオンにしておけ、あとで役立つから、ってことだ。
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