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分離プランはHuaweiには追い風に? グローバル端末にFeliCaを載せる計画も

ファーウェイ・ジャパンが「HUAWEI Mate 20 Pro」を発売する。日本に導入する狙いや、総務省からの要請が強まっている分離プランの影響などについて、呉波氏がグループインタビューで語った。

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 ファーウェイ・ジャパンが、最新スマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」を11月30日に発売する。通信キャリアではソフトバンクが取り扱うことも発表された(発売は12月以降)。Mate 20 Proを日本に導入する狙いや、総務省の検討会でも話題に挙がっている「分離プラン」の影響などについて、ファーウェイデバイス 日本・韓国リージョンプレジデントの呉波(ゴハ)氏がグループインタビューで語った。

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ファーウェイ・ジャパンの呉波氏

 Mate 20シリーズの中でMate 20 Proを日本に導入する狙いについて呉氏は「Mate 20 Proは、シリーズの中で最も先進的な技術を全て搭載している。また日本市場のニーズに合わせ、IP68の耐水と防塵(じん)機能も備えている」とコメント。より大きな7.2型の有機ELディスプレイを搭載した「Mate 20 X」の日本導入も期待されるが、「(ロンドンでの)10月16日の発表会以降、ネットで製品に関心を寄せていただいていることは理解している。どういったモデルを投入していくかは社内ではきちんと検討していく」とのこと。

 総務省が緊急提言として、シンプルな料金体系を目指し、端末代金と通信料金を分離させる「分離プラン」を強く要請しており、端末購入にひも付く割引が今後なくなる方向で話が進んでいる。Huaweiは「HUAWEI P20 Pro」や「HUAWEI P20 lite」など、キャリア向けにもスマホを供給しているため、影響を受けることは想像に難くない。呉氏は「新しい政策により、長い目で見れば同じスタート地点に立って競争できる。メーカーにとっては公平な競争環境が与えられるので、革新的な製品やユーザー体験の向上に専念して取り組める」とコメント。

 分離プランが導入されると、10万円を超えるような高額な端末は売れにくくなるといわれているが、Huaweiは2万円台、3万円台の安価なスマホも投入している。高額な端末に代わって安価な端末がより売れる可能性は高いので、幅広い価格帯のスマホを投入しているHuaweiにとって、分離プランは追い風になるという見方もある。P20 Proのような高額な端末はキャリアから売れにくくなるかもしれないが、「ユーザーを第一に掲げ、先進性・革新性に注目し、高品質な製品を提供していく」という姿勢は変わらないことを呉氏は強調。競争環境が変わっても、Huaweiは生き残っていけるという自信が感じられた。

 今回、Mate 20 Proはソフトバンクからも発売されるが、ソフトバンクは前モデルの「HUAWEI Mate 10 Pro」を販売したという経緯もある。Mate 10 ProはSIMロックフリー版が発売されてから約半年後の取り扱いになり、タイムラグがあったが、Mate 20 ProはSIMロックフリー版とほぼ同じタイミングでの発売となる。呉氏は「ソフトバンクさんはMate 10 Proを発売し、(売れ行きが)良かったため、両者とも発売時期は(SIMロックフリー版と)合わせていきたいと考えた」と経緯を話す。

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Mate 20 Proはソフトバンクからも発売される

 「今後、この(Mate 20)シリーズがどの事業者から販売されるかに関しては、NDAを結んでいるためお答えできない」とのことだが、Mate 20 Proについては、国内キャリアではソフトバンク専売となることをソフトバンクが明かしている

 一方、ドコモ向けP20 Proでは搭載されたFeliCa(おサイフケータイ)は、Mate 20 Proはソフトバンク版も含めて対応していない。「日本ユーザーに、おサイフケータイのニーズがあることは認識している。社内で、おサイフケータイの機能をグローバルモデルに取り入れるよう努力している。ここは改善していくので、ぜひご期待ください」と呉氏はコメント。HuaweiのスマホにFeliCaが標準搭載される日は近いかもしれない。

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