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設備投資が少なくても「次元の違う安定性を確保」――楽天・三木谷浩史社長と一問一答(2/2 ページ)
ついに基地局の建設に着手した楽天モバイルネットワーク。親会社・楽天の三木谷浩史社長が「安全祈願祭」の終了後に報道関係者との囲み取材に応じた。
KDDIとの提携 IT業界は「競争」と「協調」が絡み合う
―― KDDIと提携することで「競争が鈍るのではないか」「価格面でauを下回れないのではないか」といった懸念があります。どうお考えですか。
三木谷社長 それは全くないですね。KDDIさんには(契約に基づいて)ローミング料金を支払いますし、契約において営業、あるいはマーケティングや価格戦略に関する拘束条項は一切含まれていません。
安定かつ高速なネットワークを使いやすい価格で提供することが、新規事業者として(電波の)帯域を与えられた我々に課されたミッションだと考えています。
―― 一方で、御社はKDDIに決済や物流の基盤を提供します。新たな競争状態に入ることになると思いますが、どうお考えですか。
三木谷社長 我々はこれら(決済・物流基盤)についてKDDIさんから料金を頂くことになっています。さまざまなサービスを提供するに当たっての「ギブアンドテイク」という面もありますし、基盤をKDDIに提供することで我々の売り上げも立ちます。
「競争」と「協調」という微妙な兼ね合いが、携帯電話のみならず、IT業界ではさまざまな形で絡んでくるのかなと思います。
中国メーカーのネットワーク機器は「現時点では使っていない」
―― 4G(LTE)や5Gの基地局で中国のHuaweiやZTEの機器を使う予定はありますか。
三木谷社長 現時点では使っていません。
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