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格安SIMのメイン利用者は右肩上がりも、認知〜利用の伸び率は鈍化

MMD研究所が12月26日、メディア向けにMVNOに関する勉強会を開催。吉本浩司所長が、同研究所の調査データを踏まえて2018年における格安SIMの概況を解説した。格安SIMのメイン利用者は右肩上がりで伸びているものの、鈍化している数字もある。

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MMD研究所の吉本浩司所長

 MMD研究所が12月26日、メディア向けにMVNOに関する勉強会を開催。吉本浩司所長が、同研究所の調査データを踏まえて2018年におけるMVNO(格安SIM)の概況を解説した。

 2018年9月の調査では、格安SIMの認知度は90%を超え、約半数の49%が内容を理解していることが分かった。これらの数字は年々伸びており、「4〜5年かけてここまでの数字が来た」と吉本氏。一方で、利用経験は18.3%、継続利用は16.2%と、前年から伸びてはいるものの、まだ伸びる余地がある数字といえる。

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格安SIMの認知〜継続利用に関する調査

 格安SIMをメインで利用しているユーザー数は2016年にやや鈍化したが、それ以外は右肩上がりで伸びており、2018年9月時点で11.3%。2016年から約2倍の伸びとなった。これにY!mobileを加えると16.1%に上る。

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格安SIMをメインで使う人は右肩上がりで増えている

 メインで利用している格安SIM(サブ利用、プリペイドSIM、法人SIMは除く)のシェアは、楽天モバイルが26.3%で1位に。2位は14.8%のmineo、3位は10.3%のUQ mobileと続く。吉本氏は「UQ mobileが非常に伸びている」と話す。これにY!mobileを加えると、同サービスが29.8%のシェアで一気に1位になる。「上位10社で9割を占めており、ここでパイの争いをする状態になっている」(吉本氏)

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メインで利用している格安SIMのシェア
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Y!mobileを加えたシェア

 2017年のシェアを比較すると、Y!mobileが31.2%→29.8%へとやや数字を落とす一方で、楽天モバイル(17.8%→18.4%)、mineo(8.4%→10.4%)、UQ mobile(4.5%→7.2%)が上位ではシェアを伸ばしている。

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2017年とシェアを比較

 音声SIMとデータSIMの比率は、音声が69.3%、データが30.7%となり、2017年から音声が7%伸びている。格安SIMをメインの通信手段として使っている人が増えていることが分かる。

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音声SIMとデータ比率の比率

 格安SIMの契約場所は、66.9%が店舗、30.5%がWeb契約という結果に。格安SIMは、Webで契約する人が多いというイメージがあったが、ユーザーの裾野が広がるにつれ、店舗で契約する人がふえているようだ。店舗で契約する理由の上位には「対面式で安心するから」「自宅近くに店舗があるから」「即日契約して受け取れるから」が挙がった。吉本氏は「2019年には、よりリアル店舗での契約が増える」とみる。

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格安SIMを店舗で契約する理由

 格安SIMの認知、サービス認知、内容理解、利用検討、利用経験、継続利用(6項目)の調査データを2015年〜2018年に分けて比較したところ、トータルの伸び率は2016年が+42.5%、2017年が+34.1%だったが、2018年は+9.2%と伸びが鈍化。2016年はサービス認知が+13.9%、2017年は内容理解が+13.0%の伸び率だったが、2018年はどの項目も+1〜2%ほどにとどまっている。「ようやく市場が定着してきたと考えられるが、ここから大きく伸びるのは難しい。格安SIMのパイはマックスで25%程度になる考えられる」と吉本氏は締めくくった。

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格安SIMの認知ファネルの推移

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