「ギガ超え」「大規模障害」「海外データローミング」――2018年のモバイルデータ通信を振り返る:5分で知るモバイルデータ通信活用術(3/3 ページ)
どんどん高速化していくモバイルデータ通信。今回は、いよいよ下りの“ギガ超え”が見えてきた2018年のモバイルデータ通信を振り返りつつ、通信障害時のサバイバル術や海外データローミングキャンペーンについても考察します。
海外渡航時で「モバイルWi-Fiルーターが不要」に?
もう1つ、2018年で気になった動きは、大手キャリア自身が「Wi-Fiルーター不要!」とアピールする海外データローミングサービスのキャンペーンを展開したことです。
例えばauは「Wi-Fiルーター不要!ハワイ・アメリカ無料キャンペーン」と銘打ったキャンペーンを実施しました。対象は米国のみでしたが、追加料金なしで「世界データ定額」を使ってもらおうという周知キャンペーンです。
一方、NTTドコモも「パケットパック海外オプション」においてキャンペーンプランを提供。これも周知プランではありましたが、その結果、2019年2月から正式プランに“格上げ”されることになりました。
auのキャンペーンは、主に海外渡航時に「レンタルのWi-Fiルーターではなく、普段使っているスマートフォンをそのまま海外ローミングで使おう!」という意味で訴求ではありますが、auやそのグループに属するUQコミュニケーションズがモバイルWi-Fiルーターを販売していることを踏まえると(※)、やや“思い切った”フレーズとも受け取れます。
※ UQコミュニケーションズでは海外ローミングサービスは提供していませんが、同じルーターをauで契約すると、海外ローミングを利用できます
一方、ドコモのパケットパック海外オプションのキャンペーンプランは、正式プランとして提供するにあたって、対象となる国・地域が15から62へと大幅に増加した上、短時間(1時間)の料金も300円から200円(いずれも非課税)に値下げするなど、「攻め」の姿勢も見られます。
ドコモ・auともにベースとなる料金は「24時間で980円(非課税)」です。このため、モバイルWi-Fiルーターのレンタルが「1日あたり700円(同)」と仮定すると、レンタルルーターの方が約3割ほど安い計算となります。しかし、ドコモのパケットパック海外オプションの7日間(168時間)プランでは、1日あたりの料金が754円となります。
これでもなお、若干ながら料金的にはレンタルWi-Fiルーターの方が割安のようにも思えますが、レンタルのWi-Fiルーターは、「借りてから返すまでの日数」でレンタル料金が発生することが多く、欧州・米国など日本からの距離が遠いエリアで使うことを考えると、出発日と帰国日の2日分余計に料金が発生するというケースもあり、トータルでの支払を考えるとドコモのパケットパック海外オプションの方が安くなるケースもありそうです。
それを狙ったのか、キャンペーンプランの正式プラン化に当たっては、イギリスのみだったヨーロッパの対応エリアが約30の国・地域に大幅な拡大を図っています。
海外滞在中のデータ通信料をなるべく安く抑えるための方法、あるいは現地で使える音声回線を入手する方法として、現地のSIMカードを購入(契約)して使う方法はニーズとして今後も残るでしょう。しかし、一般の旅行者が滞在先でSNSを使ったり、現地の交通手段などを調べる方法として使うためのデータ通信は、ローミングやeSIMを活用したサービスがメインストリームとなりそうです。
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