「POCKETALK W」のWi-Fiに「技適」不適合部分――総務省がソースネクストに是正要請:対策ソフトウェアは配信済み
ソースネクストが販売している翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク) W」のWi-Fi(無線LAN)通信機能を巡って、一部法令違反の状態になっていることが判明。総務省は同社に適合に向けた措置を要請し、同社は法令違反状態を解消するためのソフトウェア更新を開始した。
総務省は1月25日、ソースネクストに対し、同社が販売する翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク) W」について、電波法に基づく技術基準への適合に必要な措置を取るように要請した。これを受けて、ソースネクストは同日から同デバイスに対して、技術基準に適合させるためのソフトウェア更新の配信を開始した。
総務省からの要請の概要
総務省の要請文によると、POCKETALK WのWi-Fi(無線LAN)通信機能について、電波法が規定する技術基準(参考記事)に適合しない部分が見つかったという。具体的には、以下の2点が“不適合”だという。
- 国内での利用が認められていない周波数帯の電波が発射されていること
- 技術適合証明(技適)を受けていない周波数帯の電波を利用していること
1点目について、Wi-Fiの利用周波数帯自体は規格として定められているが、実際に利用できる周波数帯は、国・地域ごとに法令で規制されている。日本の場合、以下の周波数帯を利用できる。
- 2.4GHz帯(IEEE 802.11b/g/n):2400〜2497MHz(屋外利用可)
- 5GHz帯(IEEE 802.11ac/a/n):5150〜5250MHz(※1)、5250〜5350MHz(※2)、5470〜5725MHz(※3)
※1 一定の条件を満たせば屋外での利用ができる
※2 屋外利用不可
※3上空を除き、特に条件なく屋外利用可
POCKETALK 2では海外では利用できるが、国内では利用できない周波数帯を使えるようにしていたものと思われる。
2点目について、技術基準適合証明(技適)では、端末が通信に利用する周波数帯も合わせて登録される。そのため証明書に記載されていない周波数帯で通信した場合、たとえ国内で利用できる周波数帯であっても電波法違反となる。
POCETALK 2では、まさしく国内で使えるけれど技適で届け出なかった周波数帯を利用していた、ということになる。
ソースネクストの対応
ソースネクストでは、「通信における不具合を改善」するものとして、1月25日付でソフトウェア更新の配信を開始した。Wi-Fi接続した上で、このソフトウェアを適用すると、総務省から指摘を受けた2点の問題を解消する。
関連記事
- 「技適」の話をあらためて整理する
SIMロックフリー端末を選ぶ際に、必ずチェックしていただきたい項目として「技適マーク」があります。そもそも技適マークとは何を示しているのでしょうか。法令の話を交えて説明します。 - LTE対応で翻訳スピードも向上――「POCKETALK W」9月7日発売 eSIM版は2万9880円
ソースネクストの翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク)」がモデルチェンジ。LTE通信に対応するなど大幅なスペックアップが図られている。ソラコムとの協業でeSIM内蔵モデルも用意する。 - タップして話すだけでOK 63言語に対応した翻訳デバイス「ポケトーク」 SIM付きで2万9800円
ソースネクストが、翻訳専用デバイス「ポケトーク」を12月14日に発売する。端末に向かって話しかけるだけで、音声とテキストで翻訳してくれる。翻訳にはインターネット通信を利用し、ソラコムのSIMカードを採用した。 - 「自己破産で学んだ」 元FREETEL増田薫氏が翻訳機で復活 スマホにも意欲
経営破綻により、一度はSIMフリー業界から撤退した、元FREETELの増田薫氏が新会社を立ち上げて復活。第1弾製品として、モバイル通信機能搭載の翻訳デバイス「eTalk 5」を発売。スマホやケータイの発売も予定しているという。 - 元FREETELの増田薫氏、小型ケータイ「Simple2」発売を予告? Twitterで
「FREETEL」ブランドで知られる増田薫氏が、Twitterで『小型携帯電話「Simple2」を世に出したい。先に海外で出しちゃうかも。』などと発言した。Twitterには「Simple2」とされる実機らしき画像も投稿されている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.