「iPhone XR」が「iPhone 8」を超える日は来るのか(1/2 ページ)
GfK Japanの携帯電話販売ランキングでは、「iPhone 8(64GB)」が1年以上にわたってトップに君臨している。そのiPhone 8に迫るのが「iPhone XR」だ。XRが8に変わって1位に躍り出る日は来るのだろうか。
ITmedia Mobileでも掲載しているGfK Japanの携帯電話販売ランキングでは、「iPhone 8(64GB)」が1年以上にわたってトップに君臨している。2018年には「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」が発売されたが、iPhone 8を押しのけて1位に躍り出たことは一度もない。ここまでiPhone 8が売れている理由は、ホームボタンのある最後のiPhoneとして完成度が高く、何より安いことが大きい(関連記事)。そんなiPhone 8に肉薄する機種がある。それがiPhone XRだ。※記事中の価格は特記以外は税込。
GfK Japanの総合ランキングでは、2018年12月3日〜12月9日から2019年1月14日〜1月20日のランキングまで7週にわたり、auかソフトバンクのiPhone XR(64GB)が、1〜3位を独占する3キャリアのiPhone 8(64GB)に続く4位につけている。
iPhone XRも値下げが進むが……
iPhone XRが発売された当初の価格は、3キャリアとも10万円前後だったが、ドコモが2018年11月に端末購入サポートで5万8968円を一括価格から割り引いた。この割引額は、月々サポートの24回分なので2年後の割引額は同額だが、端末購入サポートは14カ月使えば解約料が掛からないため、割引をフルに受けるには24カ月使わなければならない月々サポートよりも、短期で機種変更しやすい。また、2019年1月30日には、ソフトバンクがiPhone XRの端末代から1万800円を割り引く「iPhone XR ハッピープライスキャンペーン」を開始する。KDDIは今のところ、iPhone XRの割引施策は実施していないが、今後、何らかの手を打ってくるかもしれない。
※ドコモは新規かMNPが「端末購入サポート」「iPhoneデビュー割」「オンラインショップ10周年特典」、機種変更が「オンラインショップ10周年特典」適用後の価格。※ソフトバンクは「iPhone XR ハッピープライスキャンペーン」適用後の価格
※ドコモは新規かMNPが「端末購入サポート」「iPhoneデビュー割」「オンラインショップ10周年特典」、機種変更が「オンラインショップ10周年特典」適用後の価格。※auで月月割が適用されるのは「ピタットプラン」「フラットプラン」選択時のみ。※ソフトバンクで月月割が適用されるのは、2年契約に加入しない場合。通話基本プランで2年契約あり(自動更新)は月額1200円(税別)、2年契約なしは月額3900円(税別)で2700円(税別)の差がある
※ドコモのMNPは「端末購入サポート」適用後の価格。※auで月月割が適用されるのは「ピタットプラン」「フラットプラン」選択時のみ。※ソフトバンクで月月割が適用されるのは、2年契約に加入しない場合。通話基本プランで2年契約あり(自動更新)は月額1200円(税別)、2年契約なしは月額3900円(税別)で2700円(税別)の差がある
ドコモとソフトバンクが割引施策を行っているとはいえ、多くのケースで、一括価格と実質価格ともにiPhone 8の方が安い。
2019年秋までiPhone 8は安泰?
AppleはiPhone 8に加え、その1世代前のモデル「iPhone 7」もいまだに販売している。3キャリアではソフトバンクがiPhone 7を取り扱っているが、ドコモとKDDIは取り扱っていない。2019年の新iPhoneが発売されるタイミングで、iPhone 8の取り扱いが終了する可能性はあるが、iPhone 8が「ホームボタンを搭載する最後のiPhone」であることを考えると、2019年〜2020年も3キャリアが継続して販売することは十分考えられる。
2019年の新iPhoneがよほど魅力的で万人に受けるモデルなら、発売して即ランキング1位になることもあり得るが、2018年のフラグシップ機であるiPhone XSとXS Maxは、高額な価格が響いたせいか、GfKの総合ランキングでは一度も1位を獲得していない。iPhoneのフラグシップ機はiPhone X以降、10万円超える高額な価格となり、次期iPhoneも同じ価格帯になることが予想される。となると、2019年の新iPhone発売後も、iPhone 8がなおトップに君臨し続けてもおかしくはない。
一方、次期iPhoneが発売されてiPhone XRがさらに値下げされ、現在のiPhone 8の一括・実質価格をもしのぐ安さになれば、iPhone XRが販売ランキング1位に浮上する可能性は高まる。また次期iPhoneが登場する2019年秋は、iPhone 8が発売された2017年からちょうど2年。iPhone 8を発売時に購入した人が分割払いを終え、月々サポートなどの割引も終了するため、次のiPhoneとして、多くの人が安くなったiPhone XRに乗り換えることは十分考えられる。
iPhone XRと8のスペックを比較すると、目を見張るような差は意外と乏しい。画面サイズはXRの方が1型以上大きいが、逆にその大きさがハードルの高さになる人もいるだろう。アウトカメラはXRも8もシングルで、XRはソフトウェアで背景ボカシを行うポートレートモードを利用できるが、日常的に必須の機能とはいいがたい。
iPhone XRにはホームボタンがなく、Face ID(顔認証)には対応したがTouch ID(指紋認証)が使えなくなったことをマイナスだと感じる人は当然いる。Apple Pay(FeliCa)、IP67の防水・防塵(じん)、ステレオスピーカー、ワイヤレス充電にはXRも8も対応する。物理SIM+eSIMのデュアルSIMに対応するのはXRのみだが、国内キャリアはいまだeSIMの具体的なサービスを発表しておらず、国内では宝の持ち腐れになっている。
こうして比べると、より安いiPhone 8で十分と考える人が多いことは納得できる。iPhone XRがiPhone 8を超えるには、8の在庫が不足するか、価格面でさらに大きなてこ入れがないと難しそうだ。
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