MNOへの準備着々? 「楽天モバイル」大尾嘉常務が近況報告(2/3 ページ)
2019年10月にMNOサービスを開始する予定の楽天モバイル。店舗拡大も急ピッチで、4月末には500店舗を達成する。大規模店「池袋東口店」のオープンに合わせて、同社の大尾嘉宏人常務が近況を報告した。
課題は「タッチポイント」 ショップ展開を加速
楽天といえばオンラインショッピングモールの「楽天市場」をイメージする人も少なくない。そのイメージと連動して、楽天モバイルの契約者もオンラインで契約する人が多い……と思いきや、店頭での契約を希望する人が意外と多いようだ。
楽天モバイルの自社調査によると、アンケート回答者の86.4%が店頭での申し込みや契約を希望したという。その理由は、大きく以下の5つにまとめられる。
- 自分ではよく分からないため、お店の人に聞きたい
- すぐに商品を受け取れる
- 商品を実際に見られる
- 初期設定をやってもらいたい
- 機種の動作確認をしてもらえる
「お客さまファースト」(大尾嘉常務)をうたい、これからMNOとして全国に通信ネットワークを整備しようとしている楽天モバイルとしては、「タッチポイント(顧客接点)も重要」(同)。
そこで、さまざまなタイプのショップを急ピッチで展開している。
例えば、今回オープンした池袋東口店や、それに先んじて「楽天カフェ渋谷店」(東京都渋谷区)をリニューアルして4月19日にオープンした「楽天モバイル 渋谷公園通り店」は、大都市圏において「快適なご案内が難しい」ことから生まれた大型店舗。従来の楽天モバイルショップと比べて受付窓口数を増やしている。
また、より広い顧客にリーチするためPRONTO(プロント)や西友の店舗内にも出店した。前者はカフェに来る若年層、後者は主婦や家族をターゲットに据えている。
その他、トップカルチャーやAnker(アンカー)とコラボした店舗を展開するなどしてきた結果、4月30日にオープンするイオンモール春日部店(埼玉県春日部市)をもって全国500店舗を達成する。
今後も、ショップ数は順次増やす方針だが、「他のキャリアが(ショップを)出しているから出すということはしない」(大尾嘉常務)という。出店数は他キャリアよりも少なめになりそうだ。
ただ、やみくもに店舗を増やすだけではなく、「店舗での体験」を改善する取り組みも並行して行っている。
例えば、法令で義務付けられている「重要事項説明」について、店員による直接説明からタブレット端末の動画を見てもらうように変更。契約者が視聴している間に店員が次の顧客を案内することで「待ち時間を減らす」ことも可能になった。
現在は一部店舗において電話で受け付けている「来店予約」についても、5月末からシステムを改め対象店舗を拡大。Webでの予約も可能とする。対象店舗では、来店前に混雑状況も確認できるという。
店舗では「楽天カード」「楽天でんき」「楽天コミュニケーションズ光」といったグループ企業のサービスの申し込みも受け付け。グループシナジーの追求も行っている。
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