「分離」なのに「セット」が前提? ドコモの新プラン「データプラス」のマイナス面:5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/2 ページ)
NTTドコモの新料金プランが始まりました。スマートフォンを使っている人は良いのですが、タブレットやルーターといったデータ通信専用端末を使っている人は、どんなプランを選べばいいのでしょうか。今回は、データ通信専用端末向けのプラン「データプラス」について考察してみます。
ドコモから「今までと違う」ルーター登場
NTTドコモといえば、2019年夏モデル発表会において新型モバイルルーター「Wi-Fi STATION SH-05L」を発表しました。
SH-05Lには、気になるポイントが2点あります。
1点は「通信速度」。従来、ドコモのモバイルルーターはより高速な通信にいち早く対応してきました。しかし、このSH-05Lは同時に発表された一部のハイエンドスマホよりも最高通信速度が“遅い”のです。
2019年夏モデルのうち、「Xperia 1 SO-03L」と「AQUOS R3 SH-04L」は下り最大1576Mbps(2019年冬まで最大1288Mbps)、上り最大131.4Mbps(いずれも東名阪地区における理論上の最高値、以下同)で通信できます。一方、SH-05Lの通信速度は下り最大988Mbps、上り最大75Mbpsと、先に発売された「Wi-Fi STATION HW-01L」よりも遅くなってしまっています。
もう1点は「メーカー」。SH-05Lはシャープ製なのです。
……と、何に驚いているのか分からない人もいると思うので解説すると、従来のドコモのルーターは、Huawei(ファーウェイ)、LGエレクトロニクス、あるいはNECプラットフォームズの3社が供給してきました。一方、シャープは他キャリア向けも含めてモバイルルーターを供給した経験は“ゼロ”。つまり、初めてモバイルルーターを手がけるのです。
しかも、夏モデルの発表会で披露されたのに発売予定は「2019年秋」。同時に発表されたスマホやケータイよりも遅いのです。
なぜシャープがルーターを出すのか。米国とHuaweiの関係悪化(参考記事)の影響で、「Huawei(中国メーカー)以外のルーターがほしい」という法人ニーズが少なからずあることと、中国外のメーカーがルーターの開発にまで手が回らない状況にあることが理由であると推察されています(参考リンク)。
既にご紹介した通り、新料金プランでモバイルルーターを使うにはデータプラスで使うか、ギガホかギガライトを契約する必要があります。もしかすると「個人ユーザーはスマホのテザリングを使ってほしい」と思っているか、「モバイルルーターやタブレットからスマホに機種変更しやすくしたい」と考えているのかもしれません。
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