MVNOの伸び率は2年連続で鈍化、シェアはUQが2位に浮上 MM総研調べ
MM総研は、6月13日に2019年3月末時点での国内MVNO市場実績を発表した。独自サービス型SIMの回線契約数は1312.2万回線で前年比21.2%増を記録し、携帯電話契約数に占める契約数比率は7.4%と伸びは鈍化傾向に。事業者別シェアは楽天が15.7%で1位となり、UQコミュニケーションズが2位に浮上した。
MM総研は、6月13日に2019年3月末時点での国内MVNO市場実績を発表した。
独自サービス型SIMの回線契約数は1312.2万回線で、2018年3月末時点の1082.8万回線から21.2%増加。1億7615.7万回線の携帯電話(3G/LTE)契約数で占める契約数比率は7.4%で、2018年3月末の6.4%から1.0ポイント増と伸び率は2年連続で鈍化している。同社ではこの要因を大手キャリアの顧客囲い込み施策とサブブランドの販売攻勢、携帯料金値下げを求める政府の指導を受けてNTTドコモが2019年からの新プラン提供を予告したことなどと考える。
MVNO市場の事業者シェア1位は「楽天モバイル」などを提供する楽天、2位は「UQ mobile」を提供するUQコミュニケーションズ、3位は「IIJmio」「BIC SIM」などを提供するインターネットイニシアティブ。次いで「OCN モバイル ONE」などを提供するNTTコミュニケーションズ、「mineo」を提供するオプテージ(ケイ・オプティコム)、「BIGLOBE SIM」などを提供するビッグローブとなった。
楽天は2019年10月のMNO参入に向けて全国に500店舗以上展開し、Webだけでなく店舗での獲得や楽天市場・楽天カードなどのサービスとの連携で回線数を伸ばした。各事業者が獲得の勢いを落とすなか2位に浮上したUQコミュニケーションズは、端末ラインアップの拡充やテレビCMの強化で2018年3月末時点から全事業者内で最も純増数を獲得している。なお、インターネットイニシアティブとNTTコミュニケーションズはMVNEとして数十万規模の回線を提供しており、MVNE回線を含めた総回線数で見れば両社のシェアは依然として高い。
同社では独自サービス型SIM市場が、2023年3月末時点に2352万回線に達すると予測。個人向け用途としての成長スピードは鈍化するものの、2019年度以降はIoT向けの需要拡大が期待でき、2023年3月末時点のIoT向け回線比率は30%超に達すると予測する。
関連記事
- MM総研の国内MVNO市場調査 独自サービス型SIM契約数が1202.7万回線に
MM総研が2018年9月末時点におけるMVNO市場の実績値を発表した。独自サービス型SIMの回線契約数は1202.7万回線と前年比28.7%増を記録し、携帯電話契約数に占める比率は7.0%に増加。事業者シェアは楽天が15.6%(187.2万回線)と2018年3月末に続き1位となった。 - MM総研がMVNOネットワークの品質を調査 コスパ上位は楽天、IIJ、BIGLOBE
MM総研は、10月11日にMVNO10事業者、サブブランド2事業者、MNO3事業者を対象としたネットワーク品質に関する調査結果を発表。動画再生はいずれも遅延なく再生でき、コストパフォーマンスが高いのは楽天モバイル、IIJmio、BIGLOBEモバイルとなった。 - 格安SIMの成長が鈍化? 原因は大手キャリアとサブブランドにあり MM総研調査
MM総研は、6月20日に国内MVNO市場の2018年3月末実績を発表。独自サービス型SIMの回線契約数は1082.8万回線となり、2017年3月末時点の810.0万回線から33.7%増を記録した。携帯電話契約数での独自サービス型SIMの契約数比率は6.4%で、事業者シェアは楽天が1位となった。 - MM総研のMVNO市場調査、楽天モバイルとmineoがシェアを伸ばす
MM総研が、国内MVNO市場の実績を発表。独自サービス型SIMの回線数は2016年9月末で657.5万となった。事業者別では楽天モバイルとmineoがシェアを伸ばした。 - SIMフリースマホの購入時に重視することは?――MM総研が調査
MM総研は、SIMロックフリースマートフォン利用者の購入実態および満足度についての調査を実施。総合満足度は61.1%で、他人への推奨度は52.3%に。平均購入価格は3万2418円で、購入時に最も重視するのは「端末価格」なのが分かった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.