スターバックス、レジに並ばずスマホで事前注文可能に 都内56店舗でスタート
スターバックスが、6月26日に都内56店舗で「Mobile Order & Pay(モバイルオーダー&ペイ)」を開始する。アプリを通じて注文から決済までを事前に完了し、あらかじめ指定した店舗で商品を受け取れる。26日早朝以降、スターバックスアプリをアップデートすることで利用可能になる。
スターバックス コーヒー ジャパンは、6月26日に東京丸の内と大手町エリアを中心に、都内56店舗で「Mobile Order & Pay(モバイルオーダー&ペイ)」を提供開始する。
26日の早朝から可能になる、スターバックスアプリのアップデートをすることでMobile Order & Payに対応する。現行のアプリバージョンはiOSが2.1.5、Androidが2.1.6、アップデート後は両OS共に3.0.0になる。
本サービスでは、スターバックスのアプリを通じて注文から決済までを事前に完了し、あらかじめ指定した店舗で商品を受け取れる。既に米国、韓国、カナダ、香港、英国、中国などで提供している。
注文できる商品は、ドリップコーヒーやスターバックスラテ、カフェアメリカーノ、フラペチーノなどの定番商品を中心とする約40種類で、サイズやエスプレッソのショット数、ミルクの追加などの変更もアプリで行える。
決済はプリペイド式の「スターバックスカード」で行う。スターバックスカードは事前に入金が必要で、店頭で現金やクレジットカードからのチャージができる。オンライン上ではクレジットカードからオートチャージをする設定も行える。
なお、スターバックスカードはプラスチック製の物理カードとアプリ上の仮想カードの2種類あり、Mobile Order & Payでは後者の「アプリ上の仮想カード」で決済する。
商品を注文すると注文内容が表示され、Eチケットにワンモアコーヒー用のチケットが表示される。ワンモアコーヒーは、コーヒーを購入した人が、同日内にレシートを提示することで、2杯目が100円か150円(いずれも税別)で購入できるサービス。
決済が完了し、商品が出来上がると、「商品のご用意ができました」という通知が来て、店舗でドリンクを受け取れる。
利用者側のメリットは、店内で並ばずに注文できること。店舗側のメリットは、レジ作業が省略され負担が減ること。サービスの詳しい使い方については、店舗やサポートデスクに問い合わせることができる。
独自に事前注文サービスを提供する狙い
スターバックス コーヒー ジャパンは25日に記者会見を行い、チーフ マーケティング オフィサー(CMO)の森井久恵氏がサービス開始の狙いを説明した。
スターバックスは、日本全国に1434店舗(2019年3月末時点)を構え、1週間あたりの来店数は500万人以上にのぼる。その一方で「スターバックスを利用する10人に1人が店内混雑に悩んでいる」という。利用者からは待ち時間軽減などの要望が多く、モバイルオーダー&ペイの提供開始に踏み切った。
Mobile Order & Payの導入は、2018年11月から提供している「Uber Eats」を通じたスターバックス デリバーズの取り組みやLINEとの戦略提携などに続く、日本でのデジタル戦略をさらに加速させるものとなる。
森井氏は「利便性の向上だけでなく、店内外問わず、いつでもどこでもスターバックスの高品質な商品を体験していただけるような環境作りをしていきたい」と意気込みを述べた。
Mobile Order & Payは、今後2019年末までに300店舗で展開し、2020年末までには全ての店舗で導入する予定。まずは56店舗で導入し、動向を把握しながら今後の事業展開へ活用していくとしている。
スターバックス コーヒー ジャパンの広報担当者は「弊社では基本的にはセルフサービスを提供していますが、決済に限らず今後も一人一人に合ったサービスを提供していきたいと考えています」と話した。
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