ソフトバンクと村田製作所が世界最小クラスの通信モジュールを共同開発
ソフトバンクが12年ぶりに組み込み用モジュールをリリース。村田製作所との共同開発で、機器に組み込みやすくすべくコンパクト化が図られている。
ソフトバンクと村田製作所は7月4日、世界最小クラスのLPWA(低電力広エリア)通信モジュール「Type 1WG-SB」「Type 1SS-SB」を共同開発したことを発表した。ソフトバンクのIoTプラットフォームに対応し、LTEネットワークを利用する「NB-IoT(ナローバンドIoT)」と「カテゴリーM1(Cat.M1)」(1SS-SBのみ)で通信できる。発売は9月を予定している。
両モジュールは、ソフトバンクが発売するものとしては約12年ぶりの新製品。モジュールのベンダーごとに機能差分があり、設定も煩雑になりがちという現状を踏まえ、ソフトバンクのIoTプラットフォーム関連サービスを利用しやすいように開発が進められたという。
通信チップは1WG-SBがイスラエルAltair Semiconductor製の「ALT1250」、1SS-SBが台湾MediaTek製の「MT2625」を搭載。消費電力を抑制できることが選定の決め手だったという。モジュールのサイズは1WG-SBが12.2(幅)×12(高さ)×1.6(奥行き)mm、1SS-SBが10.6(幅)×13.2(高さ)×1.8(奥行き)mmで、底面積ベースでは従来のLPWAモジュールの50%程度のサイズとなっている。
モジュールを組み込む機器との通信はモデムで使われている「ATコマンド」で行うことも可能で、設計を簡易にできることも特徴だ。通信プロトコルは世界で初めて「OMA LwM2M(Lightweight M2M)」と「NIDD(Non-IP Data Delivery)」の両方に対応。どちらも従来一般的だったHTTPSよりも通信量と消費電力を削減できるという。
通信に用いる周波数帯はBand 1(2.1GHz帯)とBand 8(900MHz帯)で、SoftBank 4G LTEの通信エリアでの利用に最適化されている。
関連記事
- IIJ、フルMVNOサービスでチップ型SIMを提供 機器への組み込みが可能
IIJは、1月31日に法人向けフルMVNOサービス「IIJモバイルサービス/タイプI」でMFF2規格のチップ型SIMを提供開始した。衝撃性に優れ、製造段階で機器の基板に組み込めるため、車載機器や工業製品などで利用できる。出荷前に通信テストをした上で出荷後に開通・課金開始するといった管理も可能だ。 - 「フルMVNO」だからこそできること IIJ大内氏が技術面から徹底解説
IIJは、4月14日にファンミーティング「IIJmio meeting 19」を開催。エンジニアの大内宗徳氏が、フルMVNOで可能になった新たな機能を技術的から解説した。 - Y!mobileの一般向けPHS、2020年7月末でサービス終了
ソフトバンクとウィルコム沖縄は、Y!mobile向けPHSサービスを2020年7月末で終了する。新規契約や機種変更の受付は、2018年3月31日で終了済み。Y!mobileのケータイやスマートフォンにお得に変更できるキャンペーンを実施する。 - ビッグローブ、10軸センサー&Android搭載の企業向けIoTデバイスを発売
ビッグローブは、4月11日に企業向けIoTデバイス「BL-02」を販売開始した。10軸センサーとGPSを内蔵し、2.8インチディスプレイやAndroidを搭載。さまざまな業種・業務へAIを活用したソリューションを提供する。 - ドコモ、IoT向けの新料金プランと低消費電力技術を提供
NTTドコモは、IoT向けの新料金プラン「IoTプラン」「IoTプランHS」と、IoT通信機器の消費電力を約5分の1に低減するeDRX技術を10月2日から提供開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.