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入門機に最適な「iPad(第7世代)」、より時計に近づいた「Apple Watch Series 5」の実機をチェック(1/2 ページ)

Appleは、iPhone 11シリーズだけでなく、第7世代の「iPad」と第5世代の「Apple Watch」も発表。iPadは、第6世代に続く低価格なiPadで、ディスプレイのサイズは10.2型。Apple Watch Series 5は「Always On」に対応し、腕を上げていないときでも常時時刻が表示可能になった。

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 Appleが9月10日(米国時間)に開催したスペシャルイベントでは、iPhone 11シリーズだけでなく、第7世代の「iPad」や「Apple Watch Series 5」も発表された。iPadは、第6世代に続く低価格なiPadで、ディスプレイのサイズは10.2型。例年、9月のスペシャルイベントではiPhoneとApple Watchに特化した発表をすることが多く、1つ前の第6世代iPadも2018年3月に“教育”にテーマを絞った発表会で披露されていた。スペシャルイベントでの発表は、サプライズに近かったといえる。

 Apple Watch Series 5は、Series 4からの正統進化といえるモデルで、初めて「Always On」に対応した。腕を上げていないときでも常時時刻やコンプリケーションが表示され、目をチラッと配るだけで必要最低限の情報を確認できる。アナログの時計では当たり前のことだが、ディスプレイの表示に電力を要するスマートウォッチでは珍しい機能。1Hzから60Hzまで、状況に応じてリフレッシュレートを変化させる、「低温ポリシリコン酸化物」(LTPO)ディスプレイの搭載によって、これを実現した。

iPad
Apple Watch Series 5
スペシャルイベントでは、「iPad(第7世代)」と「Apple Watch Series 5」も発表された

 この2モデルの、実機をチェックしていこう。

ディスプレイが拡大し、SmartKeyboardにも対応した「iPad」

 第6世代のiPadが9.7型と、いわばiPadの伝統的なサイズ感、デザインだったのに対し、第7世代のiPadでは、ディスプレイが10.2型に拡大した。デザインを見れば分かる通り、左右のベゼルが細くなっているためだ。一方で指紋センサーのTouch IDは残されている。現行モデルで言うと、iPad Airに見た目は近い。対iPad Air比で、ディスプレイは0.3型ほど小さいが、目視だとなかなか見分けがつかないかもしれない。

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10.2型に表示領域が拡大。左右のベゼルも細くなった

 厚さは、iPad Airより1.4mm厚になる7.5mm。ここは、iPadとiPad Airの違いとして、分かりやすい部分かもしれない。ただし7.5mmでも十分薄く、不満を感じるレベルではない。側面から背面にかけては、アルミがカーブしており、こうしたデザインもiPad Airとの共通点といえる。側面には、SmartKeyboardを装着するための端子が存在する。端子の形状は3つの丸い接点となり、既存のSmartKeyboardを流用できる。無印のiPadとしては、初のSmartKeyboard対応だ。

iPad
厚さは7.5mm。iPad Airよりは厚いが、背面に向かってカーブしているため、気になるレベルではない。SmartKeyboard用の端子を備える

 先代のiPadと同様、Apple Pencilにも対応する。利用可能なApple Pencilは、Lightning端子に挿して充電する第1世代のもの。現行モデルでは、iPad AirとiPad miniが対応しているものと同じApple Pencilになり、iPad Pro用の第2世代Apple Pencilは利用できない。そのため、設定アプリ内には、ペンをダブルノックしたときの動作を設定するようなメニューも用意されていない。

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Apple Pencil用の設定は用意されていない。ペアリングして使うのみだ
iPad
文字の書き心地は従来と同じ

 OSはiOS 13をベースに、iPad用のカスタマイズを加えたiPad OSが採用される。ウィジェットの表示が可能な他、マルチウィンドウも大幅に強化されており、同じアプリを複数開いたり、スライドオーバーで開いておいたアプリをフリックするだけでiPhoneのように、スムーズに切り替えられたりと、全面的に機能やユーザーインタフェースに見直しがかかっている。

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iPad OSに対応し、ウィジェットをホーム画面に表示させることもできる
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スライドオーバーの機能も強化された

 Apple Pencilによる操作にも磨きがかかった。ペンの種類や色を指定するツールボックスがAPI化されたり、ディスプレイの右下からApple Pencilでなぞるだけでスクリーンショットが撮れたりと、さまざまな機能が追加されている。Apple Pencilによる書き心地は、従来モデルとほぼ変わっていない印象で、細かな字や線も、正確に書くことができた。

 プロセッサには、iPhone 7などと同じ「A10 Fusion」が採用されている。iPadでは第6世代もこのチップセットを搭載していた他、直近では、5月に突如として発売された「iPod touch」にもA10 Fusionが組み込まれている。iPad AirやiPad miniよりも処理能力は低くなる格好だが、ハイエンドモデルにターゲットを絞ってグラフィックスに凝ったゲームなどでなければ、スムーズに動かすことが可能。ハンズオンの会場でも、新たにサービスが始まるApple Arcadeで配信されるゲームを遊ぶことができた。

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プロセッサはやや古いものだが、Apple Arcadeのゲームは滑らかに動いていた

 SmartKeyboardに対応し、ディスプレイサイズも拡大しながら、価格は32GB版ならわずか3万4800円(税別)。SmartKeyboardやApple Pencilを買い足していくと、それなりのお値段になってしまうことは事実だが、iPadの入門機として、第6世代に続いて人気が出そうなモデルといえる。

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