元FREETELの増田氏とタッグ Blacksharkが日本のSIMフリー市場に参入する狙い:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/2 ページ)
Xiaomiが出資するBlacksharkのスマートフォン「Black Shark2」が日本で発売。メモリ6GB、ストレージ128GB版は、4万9800円(税別)という価格を打ち出した。ハイエンド機の割合が少ない日本のSIMフリー市場に、なぜBlacksharkは参入したのか?
サードパーティーとのアクセサリー開発も視野に
―― 素朴な疑問ですが、Black Sharkに限らず、ゲーミングスマートフォンにはド派手なデザインが多いですよね。PC由来かと思いますが、あれはなぜなのでしょうか。
ルオ氏 12年前にiPhoneが発売されたとき、皆さんすごいデザインだと思っていたはずです(定着すると、それが普通になるという意味合いで)。ゲームは仮想的な世界で、デザインも派手なものが多いですよね。その要素をハードウェアに反映し、現実に反映するためのデザインだと思います。中には、ゲームをするときだけこの端末を使い、仕事をするときはiPhoneを使うという方もいます。
―― アクセサリーも特徴の1つかと思いますが、これは自社製ですよね。サードパーティーに作ってもらうようなお考えはありますか。
ルオ氏 自社製ですが、今後はアクセサリーメーカーと組んでいく考えがあり、既に動いています。独自に開発はしつつ、サードパーティーとも一緒にやっていく予定で、今、既に作っているのがBluetoothのイヤフォンです。Bluetoothのイヤフォンは、接続したときに音が遅延してしまうものがありますが、独自の技術を持った、ゲームに特化した会社と組んでいます。今後も、こういった取り組みは増やしていく路線です。
5Gに対応した商品も開発する
―― 日本で発売してみて、反響はいかがでしたか。どう受け止めているのかを教えてください。
ルオ氏 まだ半年しかたっていないので規模は小さいですが、日本のお客さまの熱意はすごいですね。その熱さを感じました。増田さんはよくTwitterでファンとやりとりしていますが、それはBlacksharkとしても重視していることです。直接やりとりすれば、お客さまが実際の声を届けてくれるからです。
―― まだ気が早いかもしれませんが、今後はどういった製品を作っていくおつもりでしょうか。
ルオ氏 日本にも、来年(2020年)は5Gの時代が到来しますが、Blacksharkも、5Gに対応した商品を開発していきます。また、性能とタッチパネルの反応速度をもっと引き出すことには、今後も力を入れていく予定です。
大仲氏 創業者自身もゲーマーで、自分の遊びたいゲームが自分のスマートフォンできちんと動かなかったというのが、Blacksharkを創業した理由と聞いています。バッテリー問題や熱問題を解消した、満足できるスマートフォンを作れば、ユーザーにも受け入られると信じています。
取材を終えて:市場とともにBlacksharkの成長にも期待
各社がゲームに注力する中、日本にはいわゆるゲーミングスマートフォンがまだまだ少ない。eスポーツ市場の拡大に伴い、Blacksharkの伸びる余地も徐々に大きくなっていくかもしれない。日本市場では、本格的なゲーミングスマートフォンはまだ少ないだけに、参入のタイミングもよさそうだ。海外では大規模なeスポーツの大会に端末が採用されているのも、追い風といえる。ルオ氏は、粘り強く日本市場に取り組む意向を示していたが、その約束が果たされることを期待したい。
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